ヒロイン降臨伝説
7話
その言語は、
いつも聞き慣れている、
人間の、しかも日本人の言葉だった。
後ろを振り向き
「あぁ、そう。俺、現代世界から転移
してきたんだ。」
異世界で誰かと会話ができたことが
あまりにも、感動的な出来事だったので
簡単な言葉で終えてしまった。
今話している女性は、年齢は19ぐらいで
こちらの世界でみんな着ている
ローブをきていた。
そして彼女の顔をよく見ると
顔立ちがよく、可愛いのだ。
あまり人と接してこなかった
少年には、初見で会話するには
なかなかLevelが高く、
感動と多少の照れで
簡単に言葉を済ませてしまったのだ。
少年がそう言うと
彼女は「異世界転移ね〜。
今時そんなことする人いるんだね。
君そこそこ
顔カッコいいのに
なんで転移してきたの?」
彼女の不意の「カッコいい」の言葉に
俺の顔と体が急に熱くなった。
「ねぇ、大丈夫?顔赤いよ
熱でもあるんじゃない?
ちょっと、動かないで」
そう言い彼女は、
自分の手を、少年の額に当てた。
「うーん、熱じゃないかも。
なんでだろ、なんとなくそう思う」
彼女は、そう言いこちらを笑顔で見た。
だが、手を額に当てられた時の
少年の心は、
まぁ、"大変"
な状態だった。
手を当てられた瞬間、
一気に顔が熱くなった。
簡単に言うと究極の照れだ。
あまりにもフレンドリーすぎて
少年の情報解析能力が、
全然追いつかない。
やっと冷静になれたとき
には
「こんなに知らない人に
優しくされたことないし、
全然いないけど、
友達と呼べるような奴らよりも
優しかったりするんじゃないのか?」
と思っていた。
そして、彼女は少年があまりにも
喋らないので、
口を開いた
「ねぇ君、この世界の言語に
困ってるんでしょ?
私が教えてやってもいいんだよ」
その言葉を聞き
少年は大変嬉しく思った。
「え、本当?ありがとう。
こんな知らない人間に優しく
してくれるなんて、あなたなんて・・・」
全部言葉を言う前に、相手が
言葉を遮って、話してきた。
「その代わり、条件があります。
私の 下僕 になってください。
いやぁ、下僕になれ」
そう、彼女は思いっきりの笑顔で
言ってきた。