最高潮のスキルのオンパレードだぜ!
69話
ここがあいつらの縄張りだとは思わなかった。こんな細い道なのに縄張りなんてあるんだな。
だが、どうする。前後で挟まれ武器は無い。ここで、金を渡すのもありだが、
それだけで逃げられるとも限らないし、美咲に怒られそう。
あと、それだけは無性にしたくない。
なぜだか
あいつらに負けたような感じがするから。
うーん、
ここは、ジャパニーズDOGEZAを披露するか。
「たいへんすみませんでした。
なのでここから、退散してもよろしいでしょうか?」
とこれまでにないほどの完璧なDOGEZA
を人数が多い奴らに披露した。「俺のDOGEZAスキル最高潮に達しているな。」と自陣満々だったのだが、
「なんだソれっ??!オマえ、なにねそべッてんダよ?こんなじょうキょうで
フざけるとカ、おまエバかだよナ、いやバかダ。」
[なんだそれっ??!お前、なに寝そべってんだよ?こんな状況でふざけるとか、
お前バカだよな。いやバカだ。]
よーし、殺す。こいつら殺す。俺の最高潮をバカにしたからな。とりあえず、後ろの
やつはナイフを持っているが、体つきはそれほどまでよくない。なので後ろのやつを叩く。俺は格闘スキルはあまりないが、あの特訓で多少は強くなっているだろう。
なので、このDOGEZAしている状況からどうするか考える。
「オい、いつまデ、そうしてるキだ?
とっとト、かねめのモノわた・・・」
[おい、いつまで、そうしてる気だ?
とっとと、金目のもの渡・・・]
そいつが全部言う前に俺は立ち上がり
後ろのやつに向かって走っていた。
あーもう、考えても無駄だ。
どうせ考えても成功するとも限らないし。
そして、そいつに向かって殴りかかろうとしたが、
「なぁ!!」
そいつは腕で俺の拳をなぎはらい、
ナイフを顔の目の前に突きつけた。
「あきらメろ。オマエノチカらじゃ、
ここからはニゲられない。」
[諦めろ。お前の力じゃ、ここからは逃げられない。]
「はいはい、そーですっか!!!」
思いっきり右足を振り、胴体に当ててやろうとした。
でも、「だカら…」ナイフを持っていない方の手で俺の足を捕まえた。
そして、壁に投げられた。
「うぐっっ」
おいおい、なんだよこいつ、対人スキルありすぎだろ。失敗した。もしかしたら
あの2人狙った方がよかったかもしれない。
「おまエニは、コレだけじゃわからナいようだ。だかラ…」
[お前には、これだけじゃ分からないようだ。だから…]ナイフを向けられた。
「お、オいっ!!ヤメロ!」
[お、おいっ!!やめろ!]
仲間も止めている。まずいな。
このままだと。
だが、
「そいつは正当防衛をしただけだ〜。
だから〜、お前らがぜ〜んぶ悪いだろ。
特にお前〜、お前はや〜りすぎだ」
とナイフを持ったやつのさらに後ろから
俺にでもスラスラと聴きやすい声が
聞こえてきた。