この関係からは変われないのかぁ…
63話
そうだ。彼女は俺の中ではヒロインだ。
そうヒロインだ・・・・・
おい、まて。ヒロインがこんな状況でも寝てるってどういうことだ!!!
「なぁなぁなぁ、ねぇねぇねぇ。なんで起きないの?てか、起きるの遅くない?
あと数秒遅れてたら、危うくザックリ
いかれてたよ。!下僕消えちゃうよ!」
と言うと、スゲェ鬱陶しそに
「だって仕方がないじゃん。あんたに
魔力あげすぎたから、疲れたの。で。眠かったの。一体あのクエストは誰のためにやったと思ってんの?・・・あ、あと
助けてあげたんだから、文句を言うな。
わかったか?!」
やべぇ、こんなのヒロインじゃない。
俺の求めてるヒロイン像とはかけ離れてる。もっとおしとやかな女性と出会いたかった。
そんな言い争い?みたいな事を終えた後、まだ、帰る場所まで着いていなかったので、馬車に乗り、帰る。
そして、目的地に着くと、早速家に帰る。俺はローブをとりあえず洗い干し、
台所に向かう。いよいよ明日か…
はぁ、今日は長いような短いような1日だったな。とりあえず、凄く動いた。
台所に着くと美咲は笑っていた。
「何笑ってんだ?気色悪いぞ」と
俺は言う。・・・なんだが、今日の出来事があって、美咲にこういうこと言ってもいい度胸がついた。自分でも謎だ。
何があったらこんな度胸がつくのか?
だが、やはり彼女も反応した。
「誰が、気色悪い笑顔よ!
口を慎みなさい。
・・・まさかあんた、今日、自分が
たくさん活躍したからこの私にそんな口聞いていいと思ってるんでしょ?
そんな勘違い早く捨てた方がいいわよ
あんたが私にそんなこと言えるなんて
私に勝ってからにしなさい。
あ、あと私の笑顔は、"究極プリティー
スマイル"だから今後からはそう呼びなさい。例えば、『なんで、そんな、
究極プリティースマイルしてるんですか
美咲お姉様、いや、姫、嬢王様』みたい」
死んでも言いたくねぇな…
「あ、私が笑っている理由聞いてたっけ?あんたが余計なこと言うから、本題忘れるところだったじゃない。
教えてあげる。それは
明日で、やっと作らなくていいんだと思って、気分が上がってるの。楽だわ〜
あと、もしダメでも、
一回クビって言ってみたかったの。
これがいわゆる一石二鳥かぁ♪」
悪魔やねぇ、どこで素晴らしい四字熟語使ってんだよ。四字熟語が汚れる。
「おい、こんな、痴話喧嘩やめて料理作ろうぜ」と言うと、彼女は突然顔が赤くなった。そして
「ちょ、ちよっと、あんた痴話喧嘩の
意味分かって使ってんの?」
「えっ?男女の些細な喧嘩だろ?」
「はぁ、やっぱ分かってないわね、ごにょごにょ」
耳元で彼女が囁く。だが、彼女の吐息などが耳に当たって・・・いやこれ以上は変態発言になるのでやめておこう。
「ね?痴話喧嘩ってのはこういう事なの。私たちは違うから、断じて違うから
あくまでも、姫と下僕の関係」
「そんなのか?でも俺は別にそんな関係でもいいと思うけど。」と何やら凄い発言をしてしまったような気がする。
彼女は「なぁっっ!」と、口を開ける
あぁ、やっぱダメな発言だったか
「そんなのダメよ、うん、ダメ。
私たちは今の関係が1番いいの!
ねぇ?わかった。はい、わかった!
じゃあ、料理作ろう!!」
と俺との話を切り上げ料理を作り始める。
そして、作り終わり、食べ、片付ける。
俺が片付け、風呂に入り上がると
彼女がリビングにいた。
そういえば、勉強はどうするのだろう?
「勉強は?」簡潔に言う。
「うん。ないよ。だって、教えることないでしょ。多分まだ完璧ではないと思うけど、これからたくさん話すからそのうち慣れるわよ。」と勉強は昨日で終わりのようだ。だが、なぜ彼女はまだここにいる。
「あっ?なんで私がここにいるのかって思ったでしょ?それはあんたと話がしたいって言うか、あんたが現代でどんな生活してたか気になって。」
へー、彼女もやはり気になるのか。
この俺のことが☆
だが、それよりまず俺は彼女のことが
聞きたい。なぜなら、彼女に関しては
謎しかないからだ。
「なぁ?俺正直言ってお前が現代でどんな生活してたか聞いてみたいんだけど。」
そう言うと彼女は何やら動揺し
「あっ!私、自分の部屋でまだしないといけないことがあった。じゃあおやすみ。
今日が最後だからガンバレよ!!」
とそそくさと自分の部屋に帰った。
彼女は一体何を隠しているのだろう?
俺は彼女のことをまだ何も知らない。