俺の活躍するところはいつ来るんだ?
38話
俺たちの目の前に現れた小さいドラゴンは、とても目はクリクリしていて可愛くて本当にあの声の主か、わからないほどだった。
「なんだ、こんな可愛いのか。
よしよし、今からペットにしてあげるからねー」と近づこうとしたら
「よけて!危ない」と彼女が言ってきた。
俺は「へ?」そう思うと、そのドラゴンは突然、口から炎を吐き出した。
「うわ!!あっぶな。こいつ見た目では予想できないほど危な。」
俺は結構、ほんとに結構ギリギリで回避
できたので、なんとか丸焼きにならずに済んだ。
「こいつに情けは無用よ。あんたが先にあいつに攻撃しなさい。」彼女はそんなことを言ってきた。
でも俺には、こんな可愛い見た目のドラゴンを倒すことができない。いや傷つけることが出来ない。
「ご、ごめん。無理。俺には無理…」
そうすると彼女は呆れながら
「あんた、それでも男なの?
ふぅ、じゃああんたがやらないなら私が全部する。」そう言った時
「ちょっと待ってくれ!!!」
突然そう口から出てしまった。
自分自身でも考えずに発してしまったので、「あ、やべ」とも思ったが
彼女に無残に殺されるのはかわいそうだ。なら、俺がどうにかする。
「俺がなんとかしてみせる。」
「は?バカなの?あんたじゃあいつをどうにかすることは出来ない。
だって、あいつあんな見た目だけど、中々ヤバイわよ。」
うわーまじかー、どうしよう。
前言撤回するかな。
・・・いや、なんとかしてみせる。
俺が今までの俺じゃないところ見せてやる。
そして、俺はあいつに向かって走り出す。
剣を取り出し、地面に足をついている
ドラゴンに叩きつける。だが、
「あ、あれ〜?」
剣が当たったにもかかわらず、
敵に全然ダメージを与えれてない。てか
鱗が硬すぎて、だめだ。
俺は顔が青くなり、意識がもうろうとしてきた。そして、言葉が伝わらるわけないのに、そのドラゴンに
「あの、別にこれは、あなた様に
攻撃しようと思ったわけではなくて、
あなたをあの・・すごく怖い人間から
守ろうとしただけのことで。
決して、あなた様を殺そうなんと思いません。ええ、滅相もございません。
あの〜なので、なんだこんなこと言うのもあれなんですけど、逃げるという行動を許してもらっていいですか。」と言った。
だがもちろん許しはもらえず、炎を吐く準備をしている。
あ、やめて。こんな零距離攻撃、死んじゃうな。あーぁ、ここでバッドエンドかぁ…。
そう思っていた。
そして、ドラゴンは鳴海の間近で炎をぶっ放した。