べ、別にビビってねぇし
37話
洞窟の中に入ると最初のうちは明るかったが、のちのち暗くなっていった。
「なぁ、暗いからもう出よ。湿気が…」
「何女子みたいなこと言ってんの、
ちょっと待ってて。」
そう言うと彼女は自分の持ってた小物袋から、小型ランプを取り出した。
そして、指パッチンをすると
ランプから光が灯された。
「おぉ、すげぇ。」
「この世界の懐中電灯みたいなもんね。
指を鳴らすとついたり消えたりすんの」
俺が感心していると、「はい」
ランプを渡された。
「へ?」と言うと
「なーにが『へ?』よ。もちろんあんたが持つんでしょ。こんな、か弱くて
可愛くておまけにスタイルのいい私に
すべて持たせるの?」
彼女がそう言ってきたが、俺は『か弱い』の部分がツボに入ってしまい。
「ふっ、何がか弱い女の子だよ。
1人であんなデカブツ瞬殺したくせに」
あっ、声に出てた。
だが、彼女は別になんともない風に見えた。だが、俺に近づき、耳もとで
「次言ったら、殺すね」
ひぃー、あ、やっべー怖い。
トーンすげぇ暗いじゃんかよ。
あーこれはイアホン推奨レベルに怖い。
「おーい、行くよ。あんたがいないと
このランプ私が持つことになるよ。それは、ダメだよー。」
俺は速攻でランプを持って彼女の前を歩くことにした。
そして歩いて数分たつと、何かのうめき声が聞こえる。
「グォォォ」
音は小さいが多分、さっきのやつだろう
俺は、立ち止まりたくなったが、
立ち止まると後ろが怖いので歩くことにした。
そして、だんだん音が強くなる。
そしたら「ここでランプの光消して。」
そう言われた、「なんでだよ?」
「あいつの視界に光が入ると多分真っ先に攻撃してくるから、それはさすがに避けたい。」
そう言われ指を鳴らし光を消す。
そして暗いまま前に歩いていった。
真っ暗なので壁を頼るしかない。
だが、途中で、壁がないことに気づく。
「お、おい。壁がないぞ。」
俺が慌ててゆうと
「しっ、静かに。多分ここに奴がいる。」
俺はそう聞いた時、背すじが凍った。
嘘だろ。こんな暗いところじゃ姿も
見えない。こんなのどうしろと。
そう思っていると
「じゃあ私が、つけてって言ったらランプつけて。で、その時ランプをできるだけ遠いところに投げて。このランプ
光がついるまま壊れると、その空間に
光が灯るの。」
え、凄。どんな技術だよ。
「じゃあ行くよ。・・・・さぁ、つけて。」
俺はできだけ遠くに投げた。そして
その瞬間に指を鳴らし、そのランプは地面に落ちて壊れた。
どんなやつなんだろうと怯えてると。
目の前にあらわれたのは
なんとも小さいドラゴンだった