わからない。私は君が分からない
32話
いつも通り私たちは稽古場へと向かう
稽古場は自分の家に近いので、
ほんとにいい家をもらったなと思っている。
そして、稽古場に着くと、昨日よりも
多く賑わっていた。だが、スペースは
結構空いていたので適当な場所を見つけて開始する。
「さってと、ここで始めるか。」
だが、彼は私に要望を出してきた。
「なぁ、俺が武器選んでいいか?
正直、不意に出されると困るんだよ、
昨日みたいに・・・」
最後は小声で言ったようだがはっきり
私には聞こえた。
「へー。じゃあ、何で戦いたいの?」
「えっと、じゃあ双剣で
俺よりも長い剣で。」
そう言われた時
「こいつ、バカだわぁ。リーチという言葉を知らないの?てか、
普通、『俺と同じ武器で』とか言うでしょ普通。
まぁ、思い知らせてあ上げるわ
私は、呪文を唱える・・のは正直面倒だったので、何も言わず双剣を作り出す。
そして…まぁ結果は見えた通り、普通に
私がボッコボッコしました。
あいつは多分リーチのことを考えていなかったのだろう。
いや、本来だったらリーチのこと考えるくない?
うーん、頭のネジが1本いや3本取れてるな。
「おい、強すぎだろ。
なんでそんな当てれるんだよ」
いや、だからリーチだって
「ねえ?あんたリーチって言葉知ってる?」
「あれだろ、勝負とかで上がる前のことだろ?それ以外に何があんの?」
あぁ、だめだ。終わってるわ。こいつ
本当に現代でずっとゲームやアニメ生活してたのよね。本当はずっと寝てたんじゃないの?
「あのねリーチってのは、長さのこと言ってんの。短剣と普通の剣だと明らかに
あんたフリでしょ?なんで同じ武器って言わなかったの?」
そしたら、とぼけた顔して
「え、なんとなく」
と言いやがる
私は「なぁ?!」と声が出てしまった。
「もう今日は疲れたわ。正直満足かも。
帰ろうぜ」
といい、あやつは帰ろうとした。
私は、なんだ、呆れ?に限りなく近い感情が生まれた。
「(彼、この世界で生きていけるかな?)」
私は心配した。