雑務生活
24話
俺たちは・・いや、てか彼女は
何事もなかったように家に帰る。
だが、さすがに俺はまだあの光景が
脳裏にずっと焼き付いている。
「おい、いつからあんなのと戦ってんだ?」
俺は聞いてみることにした。
「え?あっ、あいつら?
えっと、私が最初に出会ったのは半年くらい前かな?
その時は、盗みをしていたから捕まえてやったわ。
で、次は2、3人くらいで人の勧誘してたの、あまりにも薄気味悪かったから
倒したわ。
そしたらまぁ、あっちに私の存在が知れ渡って、このざま。
はぁ、暇つぶしにはなるけど、結構
めんどくさいのよねぇ…」
さらっと彼女、暇つぶしと言うすごい単語を入れたぞ。
やはり、部下どもでは、彼女を満足させることはできないらしい。
そんなことを話していると、家に着いた。
昼食の時間も迫っていたが、彼女は思い出したように、
「悪いんだけど、洗濯してきてくれない?洗濯物は脱衣所にあるから。お腹減ったけど、私なんかして待つわ。」
そういわれ、脱衣所に行こうとした時、
「あっ、これも」
といわれ、何かものを投げられた。
それは、彼女の着ていたローブだった
「ローブは2日に1回洗うからお願いね」
そう言われ、ローブを持ちながら、
脱衣所に行った。
脱衣所にあった洗濯物はあまり多くなかった、だが、
やはりロープがでかい、俺の分もあるから時間がかかりそうだ。
俺もローブを今脱いでおくか。
あ、そうだ。彼女にどこで洗えばいいか
聞いていなかった。
彼女の元へ行き「これどこで洗えばいい?」と言った が、
テーブルの椅子に座って俺に背を向けている彼女は何も言い返してこない。
俺が「おい、聞いているのか」と言いながら、彼女の背後に立つと、
なにやら「スースー」言ってる、
何してるんだと思い、真正面に立つと
なんと寝ていたのだ。
「なんかして待ってるって言って普通寝るか?もっと他のことしろよ。
例えば、下僕の優しい扱い方辞典とか」
と独り言をつぶやいてた、が、
俺は気づいた。
彼女の寝てる時の顔が、すごく可愛いことに
いつも可愛いが、寝てる時の顔は、
いつもの数倍可愛い。
このままずっと眺めておきたい。
いや、いかんぞ、俺は洗濯物を頼まれているんだ。
でも、もうちょっと。
などと葛藤していると。
「ねえ?何してるの?
もしかして、見てた?」
俺は体温が一気に下がったような気がした。
彼女起きやがった。
「いやいや、俺はこの洗濯物どこで
洗えばいいのかなぁ〜って思って
声をかけただけであって、お前が寝てることは知らなかったんだ。あぁ、そう
しらなかった。決して寝顔を見ようとかそんな、クズみたいな発想はしないからな。だから、これどこで洗えばいいか教えて?」
「ふ〜ん、まぁ、あとでもう一回事情聴取するからよしとして。
それは裏庭で洗って、あと干して、
そこの廊下まっすぐ行けばあるから。」
そう言われると、礼を言い。
すぐに行った。
ふぅ、危なかった。殺されかけるかと思った。まぁ今は無事だ。
で、もちろん手洗いで洗った。
手洗いなので、相当時間がかかった。
そして、中には彼女の下着も入っていた。彼女は気にしないと言ったが、俺が気にする。
なんせ、女性用の下着を洗うことなど、
生きいるうちは、ないだろうと思っていたので、なかなか照れる。
そこには、とても苦戦?したが、
なんとか全部洗いきった。
で、物干し竿があったので、そこに干す。
干し方はなんとなく分かっていたので、そこには困らなかった。
ローブは困ったが…
家の中に入ると、なんと家の中がピカピカだった。
リビングに行くと、
「おぉ、終わったか。掃除は暇だったからしといたよ。さて昼食にしよう。」
俺の雑務が一つ減ったので嬉しかった。
今日も2人で昼食を作るのだが、
俺は、火の調節や、調味料の量などは
彼女に言われなくても、分かるようになってきた。なんだか、変な気分だった。
今まで料理をしたことない人間がここまで変わるとは。人間の能力恐るべし。
作り終わり、料理を並べる。
そして、いざ食べ始める。
だが、あれがまさかここで行われるとは。
「で、さっきなんで私の前に立ってたの?」
食べてる最中に彼女がそう言ってきた。
俺の箸が止まる。
あぁ、ヤベェ