俺たちで終わらすんだ!!
160話
まさか自分から動けるようになるとは、、
一体誰がこんな事予想しただろう?
あいつは不死身か?
「まだ。終わってないからな。
俺を楽しませてくれよ。」
男は今まで以上の殺意を放ちながら
近づいてくる。
「美咲。どうする?
正直なんも浮かばねぇ・・・」
美咲も悩んでいた。その顔には焦りの色が
見え始める。
「無い、、、、事は無いけど・・・・」
「何だ?それ?」
「いや〜あれは〜」
俺たちが話している間、目の前で何か音がする
気付くとあいつの周りに無数の
黒い球がバチバチと音を立てて浮かんでいる。
「まさかこれを使うとは思わなかったよ。
死なないように努力しろ!
『adhum nob』」
黒い球が俺らに向かってくる。
「多分あれに当たると死ぬよな?」
「だろうね。だから消す!」
なんだ?いつもとは何かが違う・・・
「見ときな鳴海!今までずっと練習してて
今日がやっと初お目見えだから。
威力分かんないけどまぁいいか!!!!」
すると彼女の中の魔力が大量に表に出る。
「torentを超え、全てを消し去る。私の魔力よそれに応えよ!
『La gumnthis』」
すると、黒い球はそうなのだが
そのあたり一面が空間に飲むこまれた。
彼女の見えてる視界全てが範囲みたいだ。
前に山賊に向かって放ったあの魔術なんか比ではないくらい、威力も範囲も上だ。
そして。あまりの威力なので俺の見えている
風景。
平地。
「美咲・・・・」
「いや〜ここの人たち全員ギルドにいてくれて良かったよ!!
でも、どうしよっか?これ…」
「俺に聞くなよ。」
すると向こうで声が聞こえる。
「はぁ。はぁ。ふざけてる・・・」
見ると、カクマは何とか生きていた。
バリアか何か張ったのだろうか?
かろうじて生きていた。しかし
立っているのがやっとの状態だ。
「どうだ?これが俺の最強娘だ。
なめんなよ!」
「そんなこと良いから。
どうするの?やるなら今だよ。」
確かに、あいつは今何も出来ないだろう。
ここで殺すのもありだ。
このまま野放しにしたら、また同じような事を仕出かすに違いない。
でも、、、、
「俺は誰も殺さないよ。
たとえどんな奴だろうと。
だって、人殺しとか良くないし。」
すると目の前で笑い声が聞こえる。
「ふふっ。甘い。甘すぎる。
もし、また俺が諦めず同じ様な事をしても後悔しないか?」
「まぁ、するだろうけど。
その時も止めてみせるよ。
なんせうちにはこの甘利美咲がいるんだからさ!」
「・・・・・・そうか。
なら、もうする気にはならないな。」
「えっ?!!諦めるの?」
「諦めると言うよりかは、心が折れたに近い。ここまで敗北した事なんて1度も無いからな。
お前の言う通りだ、
この世界はまだまだ分からないものだ。」
そして、カクマは美咲に向かって喋る。
「甘利美咲。お前から奪ったもの返すよ。」
「えっ?!今?」
美咲は何か困っている。
そして、服の中から何かを取り出した。
それをよく見ると・・・・
「本?」
「うん。あれは、、、魔術の本
私の家で盗まれる物なんて言ったら
あれぐらいしか無いけど、なんで盗んだか
分からないんだよね〜
だって・・・読めないし。」
彼女はカクマに近づき本を受け取った。
「で?あんたらも読めた?」
するとあいつは黙る。
「読めなかったんだ…
じゃあ、なんで盗んだの?」
「それはそこにいるヨイに聞け。」
彼が指差す方向を見るとフォリアとヨイがいた
「ヨイ大丈夫?」
すると彼女は元気良く
「はい!!もう大丈夫です。心配させてごめんなさい。
・・・あ〜ぁ、私も鳴海くんに
『無理すんなよ!』って言われたいなぁ〜
だ、か、ら!言ってください♪」
「それよりヨイちゃん?どういう事?」
「えっとですね〜。盗んだ理由ですよね?
簡単に言っていいですか?」
「うん。」
「美咲さんの家って大きいじゃ無いですか?
だから、お宝か何か眠ってるんじゃないかなって昔から思ってたんですよ。
そして、この前侵入したらあの本見つけたんですよ。
そしたら!!!そしたら!!
運命の出会いが!!!!
でも、あの時鳴海くんに興味なかったからな
・・・勿体無い…
私がもし一目惚れしてたら、本なんて捨てて
鳴海くんとお話してましたよ。
で、鳴海くんも私に一目惚れして・・・・
キャッ!」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・チッ」
この場の全員が黙る。
フォリアだけ舌打ちをしたが、全員黙った。
「すまないな・・・」
「いや、いいよ。あんたも・・・大変だったね。」
「俺に比べたら鳴海の方が大変だと思うけど。」
「あぁ。そうだな・・・
でさ、お前はこれからどうするんだ?」
「俺は、、、この世界の事が知りたくなった。まだまだ俺の知らない事がありそうなんでな。旅をするよ。」
「テンプレだな。でも良いと思う。」
「そして、鳴海。お前は俺の興味だけで
この世界に飛ばされた、言わば被害者だ。」
「良いってそんなの。気にしてないし。」
「だから、お前は本来の世界に戻る
権利がある」
「・・・・・え?!」
どういう事だ?今更戻れるのか?
「後ろを見ろ」
そう言われ振り返ると、平地に不自然に立っているドアを見つけた。
「これは?」
「これはお前の世界と繋がっている扉だ。
一応、お前がここに来た時にはあっちの
時間は止めておいた。だが、それも2ヶ月までだ。」
「いや??いきなり言われても困るんだけど・・・」
「行くか行かないかはお前が決めろ。」
決めろったって、俺はここにいたい。
でも、、、あっちの世界でも俺が居なかったら一応心配する人はいる。
だから、その人達を困らせるわけには行かない
・・・どうすれば???
次最終回です。
でも、2パターン用意します。




