俺が、、、、いや違うな。
159話
そう言うと男は首をかしげる。
「何を言うか?そんなことできると思うか?」
「多分出来る。何と無くだけどそう思う。」
しかし、男はその返事呆れる。
「なんと無くか…これはまた酷い返しだ。
一応言っておこう。今のお前と俺より上のやつがいると思うか?現状そんな人物はいない。
そして、これからもきっと現れないだろうな。なんせ俺たちはありとあらゆる物の頂点に君臨する者。」
「お〜い。"俺たち"とか止めろよ。
俺別にそんなのどうでもいいから。
俺まで変な奴に見られるだろ!
で、あとさ〜
『この先もしかしたら現れない』
って言ってたよな?
それは分かんないぜ。
なんせ、この世界ってもんは分からない事だらけだからな。
俺たちなんかすぐ追い越すやつが現れる。
俺はそう思うんだ。その時は闇じゃ無くて、
別の属性であって欲しいな。
・・・・おっと、話が脱線したな。
で、俺さっき『なんと無く』とか言ったな。
ごめんあれ嘘。」
「?!どういう事だ?
何か策でもあるのか?」
すると鳴海は微笑んだ。
「あると言えばあるかな。」
そして、突然大声で叫び始めた。
「なぁ!!そうだろ?美咲!!」
男は振り返る。だが、遅い。
「そうだね!!鳴海!
『sand bondage』」
すると、男の足場だけ急に砂に変わる。
その場から逃げよう思ったが、足が動かない。
「クソ。こんなもの
『All can・・・』」
「させるか!!行けローレンス。
『osealoi』」
ローレンスは放たれる。
「(たとえここで、魔術を無にされたとしても、武器を投げた事実は変わらない。
だから、剣は無くならない。
お前は確実に当たる!)」
すると、男の手は黒い霧に包まれる。
その霧が消えると、とてもでかい盾が現れた。
盾でローレンスをふせごうとしたが、
やはり盾はボロボロになる。
「仕方ない…
『All cancel』」
すると、ローレンスはただの短剣に戻ってしまった。
剣は盾の硬さに負け、動きを止めてしまう。
だが、後ろで美咲が唱える。
「『atorant』」
男の体は急に凍りついた。
魔術を唱える暇すら無く、哀れにその場に凍る。
カクマが動かなくなるのを確認すると、
俺は美咲の元に移動した。
「これで証明できたな。
他の属性が闇の足元にも及ばなくないってことを。」
「そうだね。あの時あんたが目で合図したから成功したんだよ。ナイス判断。」
彼女は一瞬だけ微笑んだ。
だが、急に怒り始めた。
「でもさ〜、
『美咲。あんま無理すんなよ!!
無理するのは俺だけで十分だから。』
って言ったよね?
これ結構無理させてない?
あの言葉聞いた時凄いキュンキュン
したのになぁ、それがこれよ。
はぁ〜やっぱあんたは期待を裏切る奴だよ…」
「ひでぇ!そんな事言うなよ。
俺だって、あれ言った後ちょっと恥ずかしかったよ。」
「ほんと〜?凄いドヤ顔して無かった?」
「してねぇよ!!どんなふうに・・・
まずい…」
俺は嫌な予感がした。
そして、それは予感では無くなった。
物凄い殺気を背後から感じる。
「まだ。まだまだまだまだ。終わってないぞ!!!!」
男の叫び声が響いた。