この戦いは始まったばかり!
154話
この場の全員がその光景を見て凍りついた。
なぜ?なぜヨイが吹っ飛ばされた?
彼女は物理攻撃ならば必ず回避出来るはずなのに…
「教えてやる。あいつの戦略方法。」
誰も尋ねていないのに勝手に喋り始めた。
「あいつの回避は、物理攻撃に対しては最強だ。正直言って俺はあんな事できない。
だがしかし、それは目で追えなければ
意味がない。」
「それじゃあ、今のは彼女が目で追うことが
出来なかったから当たったと?」
「あぁ、そういうことだ。説明ありがとう。」
なんていうことだ。
こいつは俺たちの知らない攻略法を
知っていた。
しかも、あの2人は今まで仲間だった。
なのに、なんでそんな事知ってんだ?
あいつに対しての恐怖心が増した様な気がした。
だが、俺のそんな気持ちなど、、
これを見てしまうと、こんな気持ちどこかへ行ってしまった、
俺の隣にいる、彼女。そう甘利美咲は
なぜか笑っていた。
「何が、、、何がおかしい??」
すると美咲は答える。
「私からして見れば、あんためちゃくちゃ
遅いよ。」
「なに〜?」
カクマの声には多少怒りが混じっていた。
「だが、それも所詮俺を騙すための演技だろ?くだらん・・・」
「へぇ〜そう言うなら試してみる?
あんたと私どっちが速いか。」
その直後、彼女は俺の前から消えた。
そして、10メートルほど離れた
カクマに剣で攻撃していた。
しかし、あいつはその剣を腕でガードした。
「どう?速いでしょ?」
「あぁ、お前は速い。認めよう。
だが、対応出来なくもない。
しかも、この様な切れぬ剣で、俺に挑んだ事。
その事を死んで償え!!!」
そして、それから2人は目では決して
追うことが出来ないスピードで戦う。
俺には何が起こっているか、さっぱりわからない。
でも、美咲はきっと勝つそう信じて、
見守っていた。
それから数分経った。
突然2人が止まり始めた。
「やはり速いな…
ここで俺の大半を出し切るか!!」
「おっと!それはまずい。
逃げなきゃ、、、鳴海!
どこか遠く・・・・」
彼女は全てを言う前にあいつの不意打ちを食らってしまった。
「バカめ!!お前などに俺の本気を見せるわけないだろ!」
俺は怒り感じた。
「こいつ、、、心が腐ってる!!
美咲!美咲は大丈夫か?」
俺たちは彼女が盛大に吹っ飛んだ。
ように思えた。
だが、
「へぇ〜。やっぱ仮の姉妹になると
出来ちゃうものなんだ。」
その声はあいつの横から聞こえた。
「何?!!まさか、お前!!」
「はい。ヨイちゃんの回避
名付けて『虚創回避』は
私には出来たみたい!
集中力があれば案外簡単に出来るみたいね。」
カクマは急に静かになる。そして、
突然大声で笑い始めた。
「ふふ、ふふふ。ふはははは!!
お前のことを少々甘く見ていた様だ。
よし!決めた。お前は躊躇無く殺してやる。」
そう言うと、空気はさっきよりピリッとして、急に肌が痛くなる。
本気を出すつもりだ。
「行くぞ!
『Time goes on forever without stopping
(時は永遠に止まることなく進む)』」