寝る場所を教えてくださいよ。
143話
なぜだ?なぜフォリアがヨイの家に泊まる必要があるんだ?
「あの〜?ここが私の憩いの場ってこと知ってますか?」
「はい??そんなの私が知るわけないじゃないですか?」
「そうですか。
なら今この場で教えてあげます!!
ここ私の憩いの場なんで、出て行ってもらえますか?晩ご飯も食べましたから
もう満足でしょ?」
「それは無理ですね〜。
だって、美咲さんをあなたから守らないといけないし。」
「あ〜まだそんな事言ってるんですか…」
完全にヨイは呆れてる。
「分かりました。なんか面倒くさくなったので泊まって良いですよ。」
「ヘぇ〜ヨイも結構素直じゃん」と思っていると
「でも!!!あなたは私の部屋から1番離れた
部屋で寝てもらいます。
ついて来てくだい!」
そう言いヨイは歩き出した。
フォリアはその場から動く気が無さそうだったので、無理やり私が立たせ歩かせた。
そして、ヨイが部屋の前で止まる
「ここです!!」
私たちは部屋の中を覗き込んだ。
「・・・・はぁ??」
今の声はフォリアだ。
だが、私も驚いた。
その部屋は物という物を排除し、ベッドも無ければ机も何も無い。
そして、壁も床も真っ白で気味が悪い。
ここだけ別空間みたいだ。
「ねぇ、ヨイ?なにこの部屋?」
私はさすがに聞いた。
本当は彼女凄い計画を立ててるんじゃ!!
「聞きますか、、聞いちゃいますよね…
いいでしょう。教えてあげましょう!
この部屋は捕獲した生き物を、監禁する場所です。知ってますか?大体の生き物って何も与えないと3日で死ぬんですよ。
あぁ、もちろん人も例外ではありません。」
あ、こいつやばい。
すると、フォリアが怒鳴る。
「あなた!!一体私をどうするつもり・・・」
だが、彼女はその言葉を遮った。
「な〜んて。全部嘘ですけど。」
「・・・・・うそ?!!」
「はい。嘘ですよ。
なんか、そのまま答えるのもつまらないから、冗談で何か言ってやろうと思って。
・・・・・じゃあ、本当の理由を説明します。
理由は簡単です。
その人の好みで部屋の中身を変えるためです。
だから真っ白で何もないんです。
まぁ、だから、ここはお客さまスペース見たいな所ですかね?」
私はちょっと勘違いしていたかも。
ヨイは絶対優しい子だ。
「あんたも綺麗じゃん。ココロ」私は
ボソッとつぶやいた。
フォリアも「なんか、ありがとうございます。」と素直に感謝を述べた。
「どうもです。それじゃあ・・・・・
ベッドだけ置いとけばいいですよね?」
「えっ??ダメに決まってんじゃん!
さっき言ったよね?『人の好みで部屋の中身を変える』って?変えるでしょ、普通」
「え〜?だってあなたの為にわざわざ魔力使いたくないですし…」
ごめん。やっぱさっきのあれ嘘。
こいつはひどい奴だよ。
「ちゃんと変えてもらいますからね?
だって、私はお客様ですから。
お客様は神様ですよ!!」
そして、フォリアは多くの注文をつけた。
「なんすか?この多さ…
どこのお嬢様だよって話ですよ。」
ヨイは仕方なさそうにフォリアの注文通り部屋を変えた。
「わぁ〜凄い!!本当に注文通りだわ!!私、もうここに住んでも良いかも!!」
「あっ!!!これ、明日になったら消えるの説明するの忘れてた!!私ドジだから同じのなんて二度と作れないんだよなぁ〜」
そして、ヨイは急いでリビングに戻った。
フォリアは部屋でくつろいでいたので、私だけ戻る。
そう言えば、私ってどこで寝るんだ?
「ヨイ?私どこで寝ればいい?」
すると彼女はニヤッと笑い
「美咲お姉さまは私と一緒に寝ます。」
「え??一緒に寝る?まさか同じベッドでぇぇぇぇぇ…」
声が震える。
「あんまり抵抗しちゃダメですよ。
お姉さま♪」
何だろう。寒気がしてきた。