これが運命なんだ...
136話
あの顔は正真正銘、海堂鳴海だ!!
でも、なんでこんな所に?
それにあの倒れている人たちは一体?
「ねぇ!鳴海?何があったの??」
私は叫んだ。だが、彼はそれを無視し、
ずっと下を向く。
心配になった私は、彼に近づき話しかけようとした。
「鳴海ってば!!どう・・・・・」
だが、私は気づいた。
この気配。この魔力。明らかに今までの鳴海とは何かが違う。
私は一回離れ、様子を見ることにした。
「ねぇ?あなた鳴海?」
すると、いままで下を向いていたのに
突然顔を上げた。
「ハイ。ワタシハカイドウナルミ。」
その声には感情というものが無く、
目も光を失っていた。
声を聞く限りでは、あれは鳴海だ。
でも、一体何があったんだろう?
・・・・・やはり考えられるのは一つしかない。
"洗脳"しかありえない。
私は怒りを覚えた。
「よくも、、、よくも私の1番大切な人を…
鳴海。待ってて絶対にあんた救ってみせるから。」
そう言うと、彼は感情の無い喋り方をするのだが、それとは裏腹にものすごい
殺気を湧き出す。
「ワタシトタタカウノデスカ?
・・・・ナラ、アナタハボスノテキ。
ココデワタシガ、ツブス。」
来る!!
とりあえず、彼の意識を飛ばす。
手始めに
「『刃烈奏』」
そう唱えると、彼の周りを囲うように
何十本もの剣が飛び出す準備をしていた。
「Go!!」
そして、その剣は一斉に、彼めがけて飛び出した。
「鳴海心配しないで、殺さないから。
ただ動きを止めるだ・・・え?うそ…」
その光景を見て驚いた。
彼は人間業とは思えないほどの凄まじい回避をして見せた。
なので、回避された剣は無惨にも
全て地面に刺さり、その役目を果たした。
「ナラ、ツギハコチラカラ」
彼はそう言うと、地面に刺さった剣を
1本だけ引き抜いた。
「?!!!なんで?持てんの?私以外の人が触ると消える仕組みなのに!!」
ダメだ。訳がわからない。
こんなデタラメな奴に今まで会った事もなかった。
だから、正直どうしたらいいか分からない。
「『Code 覇 』」
彼が唱えると、剣は一瞬で形を変えた。
だが、何て表現したらいいんだろう。
槍がベースなのだと思う。
なぜなら長細く先端は尖っているからだ。
でも、鎌のように鋭い刃が2つ付いていたり、
長細い所には刀の様な刃も付いている。
持つ所などほぼ限られてくる。
だからあれは、何個かの武器を複合したものだ。
あんなの私でも作れない。
私が作れるのは単体だ。
だから、複合なんて、絶対に出来ない。
「鳴海、あんたにそんな力が…」
そして、彼は私に向かって武器を振りかざす。
私は防ぐのに必死で攻撃が出来ない。
やはり、強い。
リーチが長く、鎌のような刃で左右も攻撃させる。そして、それを防いでも刀の刃で攻撃される。
そして、なにより威力も高い。
攻撃を受けるたびに武器が破壊され、
作るので精一杯だ。
私は堪らず後ろに退がる。
すると、
「『osealoi』」
とその武器を投げてきた。
その武器は回転しながら物凄いスピードで向かってくる。
これに当たれば、即死・・・
私はそう感じ取った。
だから、
「『La torent』」
この武器を消す。
武器は空間の歪みに飲み込まれ消え去った。
「ふぅ〜危な・・・」
一息つく暇もなかった。
自分の持っている剣を変えたのか、
その手には先ほどまでの武器が…
それを私に向かって、投げだした。
「また〜、休憩させてよ。
『La tore・・・』」
ズキンと身体に衝撃が走る。
まずい、、、、魔力が…
投げられた武器は一直線に私に向かって
来てる。
あ、ダメだ。回避できない。
ここで、死を覚悟した。
だが、
「『エイラルーツ』」
と聞こえて来た。
すると、その武器は私を避けるように曲がった。
そして、私はなんとか死を逃れた。
「いや〜危なかった。あなたが死んだら困りますよ。」
「それにしても、鳴海くん大変な事になってるし…」
聞いたことのある男女の声が聞こえる。
背後を振り向くと
「なんで、あなた達2人が?」
その場にいたのは、
初対面なはずなのに
普通に話しているランドロフとヨイがいた。