直接対決!!俺は勝つ!!
134話
この力、本当に美咲以上かもしれない。
でも、美咲からの魔力は残っている。
と言うか、全然使ってない。
だから、ここでどうにか攻撃を耐え、
逃げる道を確保する!!
「『構造変化開始』」
短剣の形はいつもの如く形を変えた。
・・・かと思いきや
「『All cancel』」
男がそう唱えると、形を変えていた剣は一瞬のうちに短剣に戻った。
「!?!!!!」
何が起こった?!!!
変わっている途中に戻るなんて…
こんなこと一度もないぞ・・・
まさか、、、あいつが??
「どうした?お得意の魔術が失敗して
落ち込んでるのか?まぁ無理もない。
貴様が使える魔術はそれだけだからな」
「なめやがって・・・」
確かにこれが使えないとなると戦いづらくなる。
だが、これでも十分、、、戦える!!!
俺は全力で剣を投げつけた。
ラクトには簡単に命中した。
それならお前にも多少のダメージは与えれるだろ。
剣はものすごい速さで移動する。
「あたれ!!!!」
「はぁ・・・こんなものか…」
あと少しで当たる。
「よし!!当たっ・・・・てない?」
剣は男の心臓に突き刺さろうとしていた。だが、何故か、あとわずか1ミリほどの距離で止まってしまった。
「え?なんで?おかしいでしょ?いやいや
これはほんとに…」
だめだ。冷静でいられなくなる。
「どうだ?ギリギリで止めてやったぞ!
俺はエンターテイメント性を兼ね備えているからな、こんな事は容易いことよ!」
「はぁ?何がエンターテイメントだ!!
ふざけるな。こんなの!真面目にやれよ」
すると、笑っていた男は急に冷静になり、淡々と言った。
「良いんだな。真面目にやって
それなら!!」
まずい!!俺も冷静さが欠けていた。
こんな事でやつを本気にさせるなんて
「『Time goes on forever without stopping
(時は永遠に止まることなく進む)』」
やばいな…
詠唱を唱える間に逃げないと。
美咲の魔力はまだ残っている。
これなら多少は逃げれるはず。
そう思い俺は振り返り、足を何歩か踏み出す。
だが、「遅いぞ。止まっているんじゃないのか?」
「?!!!!」
なんで?多少足を踏み込んだのだから
早く移動したのは間違いないのに!
このバケモノが…
俺は思いっきり胸ぐらを捕まれ
押し倒された。
殺される・・・・
あいつは拳を上げた。
俺の顔に殴りかかるのかと思った。
しかし、違った。
突然手を開き、俺の目を覆った。
前が見えない。
そして、
「お前は我らの仲間だ。
誰もお前を邪魔者扱いする者はいない。
さぁ、来るんだ。
一緒に俺たちと世界を変えよう」
と言い始めた。
目が見えなく、手や足を動かし抵抗していた俺だが
それを聴いていると何だか心が落ち着く。
何だこれ?怖いはずなのにそんなキブンじゃない。
・・・・・アレ??
オレってナニシテタンダッケ???
オレッテ・・・・・ナンダ?
そして、いままで抵抗していたのに動きを止める。
ボスと呼ばれている男は少年から離れ
彼を立たせた。
そして歓喜の声で
「さぁ〜ようこそ。俺の新たなる仲間よ。」
「ハイ。ナンデモゴメイレイヲ。」
「いい子だ。よしじゃあ新たな
海堂鳴海に俺の自己紹介をする。
俺の名は、、、、カクマだ!!」