リベンジさせてもらうよ!!
127話
俺はあの不愉快な声を聞いたことがある。
い〜や!よく覚えてる。
初めてのおつかいの時に出会ったあいつだ。
「よぉ!お前ほんとはチンピラなんかじゃないだろ?」
すると少し間があいた。
「うん、正解…
俺もあんたらの追ってる人の一味。
って事だから…よろしく。」
今の話を聴いて美咲が話しかける。
「ねぇ、鳴海?あんた、あんな奴にいつ会ったの?」
「初めておつかい頼まれた日あっただろ?その時にチンピラに襲われた。
そん時にあいつもいた。
でも、まさかボスってやつの手下だったなんてなぁ〜」
「・・・・・・・」
「美咲?」
美咲の様子がおかしい。
「おつかい?初めて?まずいなぁ…
覚えていないなんて言ったら何されるか分かんないよぉ〜」
心の声がだだ漏れだな…
てか、わざとだろ!あれ!
「美咲さん?出てますよ。心の声が。」
「えっ!!そんな〜」
わざとらしい!!
「君?覚えてますよね?本当は覚えてま・・・・」
「なんか、楽しそうだな…お前ら。
俺にも欲しいよ…
幸福が…」
やつは言葉を遮ってまでメガティブ発言
をしてきた。
「俺、そういうの見ると、、、
潰したくなるんだ…」
相変わらずやる気はないが殺気だけ増した。
「この殺気、、マズイね。
鳴海は下がってて」
「いや!!俺がやるよ!!
俺は前にこいつに負けたからな。
だから、リベンジがしたい!!」
「魔力は?」
「危なそうだったら頼む。」
「分かった。死ぬなよ」
「おうよ!!」
俺は何歩か前に出て、あいつに近づく。
「そう言えば、お前の名前、聴いてなかったよな?教えてくれよ。俺鳴海って言うんだ!」
「名前なんて聴いてどうするんだ…
まぁ、いいや…
俺はラクト。よろしく鳴海…」
「あぁ、よろしく
・・・『構造変化開始』」
挨拶を交わすなり、俺はすぐさま
戦闘体制に入る。
短剣は、運がいい事に日本刀に変わった。
あいつは、、、なぜだか武器も出さず、
ただ立っている。
本当に戦う気があるのか?
なので、俺はあいつに向かって全力で走る。
やはり、魔力がないので、いつもよりだいぶ遅い。
こんなの、絶対避けられるに決まってる。
だが、ラクトは未だに立っているだけだ。
「何だこいつ?」と思いながら、
リーチの長い日本刀を振りかざす。
だが、何かがおかしい。
日本刀が全く動かせない。
俺は日本刀を確認する。
すると、両方ともラクトに握られていた。
もちろん、ラクトの手は血だらけだ。
だが、痛そうな素振りは一切見せない。
そして、
「つ〜かまえた…
じゃあ、バイバイ…」
俺の日本刀は両方ともあいつに激しく折られた。
そして、折れた刃を捨てるなり
隙だらけの俺の体に殴りを入れた。
その力は強烈で、後ろまで吹き飛ぶ。
「はぁ?…なん、、だよ…
クソ。ダメだ。息が出来ない。」
俺は今の一撃で呼吸器官が破壊された。
そんな風に感じた。