怒られちゃうなぁ…
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普段より遅れました
113話
俺はフォリアに胸ぐらを掴まれながら
稽古場を出た。
弱々しいその姿のどこにこんな力が…
「さぁ〜て〜お話ししましょうか。
まさかこんな事になるなんて思いもしませんでした。
しかもあなたから告白するなんて…
私や美咲さんがいるのにどうしてあんな初対面の子に告白するんでしょうか?
分かりませね〜」
笑ってはいるが目が笑っていない。
いつ死んでもおかしく無いぞ!!
さて、どうしよう。・・・うん。
無理だ。無理ゲーだ。だって、あの現場を見られたんだ。何言っても無駄だろ!
はぁ、全部の発言がdead endか〜…
「ごめんなさい」
一応なぜか謝っておく。
「それは何に対してのごめんなさいですか?私にですか?それとも私の心にですか?」
「いえ、全てです。まさか、あの場面を見られているとは気付きませんでした。
ですので、どうか私を煮るなり焼くなり好きにしてください。」
そう言うとフォリアは不気味に笑い始めた。
「え!いいんですか?じゃあ・・・」
沈黙が怖い。
「あの女を全力で辱めてください」
「えっ?」
「じゃあ行ってきてくださいねぇ〜」
辱めか。あんまり意味が分かんないな、
辱め→恥ずかしい→赤面
こういう事かな?
そう思い俺はユリちゃんに近づく。
「お帰りなさい!じゃあ、続きやりま・・・」
言葉を終える前に俺は力強く彼女を抱きしめた。
「ハァッ!!!」
顔は見えないが声で照れてるのが分かる。よしこれで良いよなと思った時、
耳元で「まだまだ足りません」と囁かれた。俺は体全体がゾクっとした。
そして、彼女の顔が目の前にあることに気づいた。
「なんて、大胆」そんな幸福な気持ちになっていると
「そこまで!!」とよく知っている声が聞こえた。
「あ、あなたは!!」
「どうも、美咲です。またの名を師匠!」
「・・・・・は?」
「だって鳴海が先生なら、私は師匠でしょ。それより、稽古をしなさい稽古を!」
そう言われ俺たちは何分か前の状態に戻った。
えっと、彼女が銃を使うところまでは話したな。その後はこの町のことや
そこらへんのチンピラ、
そして敵と呼ばれるやつら…
それらに気をつけようと言う事を話した。
「なら、私の事を守ってくださいね!
だって私たち付き合いましたもの!!
ね?」
「うん!!そうだよ。俺たち付き合ったんだよ!!守るよ。俺君のこと絶対!!」
あぁ、殺される。そして、俺は受付の人に怯えながら彼女の特訓をした。