2人っきりで・・・・グヘ、グヘヘ
112話
だがふと思う。
彼女がヤバめの子だとしてもだ、それはたぶん戦闘面だけだろう。
普段は絶対、可愛くて、少し小悪魔で、
俺のこころの癒しになるに決まって・・・いや、決まってない。
もし決まっていたとしても、それはわずかな
日にちだけだ。俺の近くにずっといるわけでは無い。クエストも終われば自然に離れていく。
はぁ、なんだかやや鬱状態になってきたな。
そう思っていると、
「どうしたんですか?なんだか表情が暗いですよ?理由は分からないけど元気出してください!!」
俺の事を気遣ってくれた。
こんな優しくて可愛い彼女と離れるなんて嫌だ!!耐えられない!!
よーし!俺は覚悟を決めた。
「ユリちゃん!!」
「は、はい!!」
俺が勢いよく言ったので彼女もつられた
「俺と、俺と、、、、、
俺と付き合ってください!!」
「なぁ!!」
「はぁ?!!!!!」
・・・・・・今なんか2人の女の声が聞こえた気がする…
気のせいか!!
「え?!ちょっと、どうして?・・はぁはぁ
深呼吸させてください。」突然のことで混乱している。まぁ、無理も無い。
今日出会った男に告白されるなど経験したことなんてないだろう。
「すぅ〜は〜。すぅ〜は〜。
よし、落ち着いた!
で、どうしてそんなことを突然言うのですか?」
「俺出会った時に一目惚れしちゃったんだ。
そして、こうして話していくうちに君とは離れなくないと思って。」
あれ?なんか聞いたことある台詞だ。
まぁ、著作権なんて存在しないからいいか!!!!
彼女は黙っている。なので 、この事は一旦忘れさせ、稽古をしようとしたら、すぐに返事を返した。
「いいですよ。私も鳴海さんのこと興味ありましたから。そして今、好きになりました。これで両思いですね♪」
俺は大声で叫びたくなった。だが、さすがにやめておい。
「でも、今日いたあの綺麗な女性はいいんですか?もしかして、あの人が結婚相手で、わたしが恋人とか?!!」
「そんなんじゃ無いよ。あれは俺の命の恩人+先生+同居人だから」
「え?!!どう、ど、同居人!!ってことは夜な夜なあんな事やこんな・・」
「してない。してないから!!」
「そうですか!良かった…
なら、その背後にいるギルドの受付の人は?」
なっ!今、背後と言ったか!!
俺は恐る恐る後ろを振り向く。
フォリアが笑いながら立っていた。
「な〜る〜み〜さ〜ん??
後で、、いや、"今"お話があるんですけど
よろしいですか?
俺はユリちゃんを見る
「いいですよ。私待ってますから」
「だそうです。じゃ、行きましょ!!」
俺は無理やり稽古場の外まで連れて行かれた。
ここで新たな物語も終わりを迎えそうだ…