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異世界行けたが言語が通じねぇ  作者: メルキー
2章 やっとこの世界に慣れてきたぜ!
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ヒロイン交代ですか?

107話

美咲が消えてから1週間俺はずっと家に引きこもっていた。

何も考えたくない。何もしたくない。誰とも関わりたくないそう思ってしまった。

たまに色んな人が俺の様子を見に家に訪れたが、「大丈夫だから、ただの風邪だから」と嘘をついて追い返した。

ある日、外に出て気分転換をしようと思い、家を出ると、家の前にフォリアがいた。

「あ!風邪治ったんですか?」

「あ、あぁ。てかどうしたんだ?

俺に何か用か?」

「もちろんそうです!!私は心配してたんですよ」

「別に心配なんて入らなかったけど。

いやされたくなかった。俺に関わっても良いことないのに…」

すると、フォリアは俺の手を掴んで歩き出した。

「そんな鳴海さんは鳴海さんじゃありません。もっと、笑わないと!!」

「なぁ?お前は俺の何を知ってるんだ?」

「知ってることと言えばそんなには無いです。美咲さんと勝負したら余裕で負けてしまいます。、、、でも、鳴海さんはいつも元気で、優しくて、皆から好かれるそんな存在って事は1番知っています。」

やめてくれ…俺はそんな人間じゃない。

みんなと仲良くなれたのは全部美咲のおかげだ。全部全部全部!

でも、今は彼女はいない。だから、今までの俺に元どおり。

家に引きこもって、友達がいなくて…

「頼む。もうほっといてくれないか?

今の俺に存在価値なんて無いんだよ!」

そう言い手を解こうとしたが、彼女は手をずっと握っている

「いいえ!!ほっときません!!あなたは存在しないといけない人なんです。

もし、他のみんながそう思っているとしても私だけは違う。ずっとあなただけを見つめ続ける」

「・・・・・・・・」

俺はそれからずいぶん黙り込んだ

そして、歩いていくうちに目的地についた。

そこは、初めて来た建物だった。

中に入ると中には誰もおらず、窓から射し込む光で明るさを保っているほど薄暗い部屋だった。

「ここは?」

「ここは、私が小さいことからよく来てた場所です。悩んだ時にはここに来て

頭を冷やすんです。暗い空間だから

たまに寝ちゃったりするんですけど。」

そして、彼女に近くにある椅子に座るように言われた。

しばらく、2人は薄暗い部屋の中で黙っていたが、俺が喋る。その声はよく響いた

「なぁ?俺になんでそこまでこだわるんだ?」

すると、彼女は照れながら

「それ、女の子の口から言わせます?

まぁ、言いますけどね。こんなチャンスありませんからね。

・・・好きだからです。大好きだからです。

最初出会った時からなぜだか惹かれる物を感じました。そして、だんだん関わっていくとその気持ちもだんだん大きくなりました。時にはやり過ぎな時もあったと思います。いや、ありました!!

でも、私は鳴海さんが好きです。その気持ちは嘘じゃありません。」

「それって、人妻が言っていいセリフか?」

すると彼女は少し間を空けて

「いえ、もう違います。」

「はぁ?なんで?てか早くないか?」

「仕方が無いじゃないですか〜。

鳴海さんが家に引きこもっていて心配だったから、私も家の前でずっと待ってたんですよ。そしたら旦那が怒って婚約破棄したんです。ほんと短気なんですよ」

へ?今家でずっと待っていたって言ってたよな?

じゃあ、前来た時からずっと待っていたって事だよな。

そんなに俺の事を…

「これで、いつでも結婚できますね。私と鳴海さん!」

俺は静かに頷いた。

「ありがとう。なんだか冷静になったよ」

すると、今までより元気な声で

「良かった!!じゃあ帰りましょっか」

彼女が立ち上がり外に出ようとした時、俺は彼女の腕をつかんだ。そして、彼女の唇に俺の唇を重ねた。

さすがにこれぐらいの礼はしないと。

何も礼が、思いつかなかった俺の必死の考えだ。誰にも何も文句は言わせない。

そして、家に帰るまでの間、俺たちは全く話をしなかった。いや、できなかった。恥ずかしさで。

そして、家に着くと、彼女は

「今日はどうでしたか?私は大満足です。特に最後のサプライズなんて最高ですよ!!またしてくださいね♪」

そう言い、彼女はギルドの方向に歩き出した。

「俺もクヨクヨしてられないな」

そんなことを思いながらドアを開けると

「お帰り〜」と一週間前までずっと聞き続けていた声が聞こえた。




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