お前たちは一体何を?
106話
女は屋根の上から俺を眺めていた。
「ふざけるな!今のは卑怯じゃ無いのか?」
「卑怯?あなたは何を言っているのですか?これが私のやり方です。
人のやり方に文句を言う前に自分のを見直して見たらどうですか?
あなただって、高速で後ろに回り込んでいたでしょう?
"ガイス"と戦っている時なんて、まさに
卑怯としか言いようがありませんでしたけど?」
ガイス?だれだ?後ろに回り込んだやつ・・・あぁ、あのゴリラか。
ん?まてよ、あいつを知っていると言うことは仲間という事か…
俺はふと疑問に思ったことををぶつける
「おい!!あれは一体どういうつもりだ?人をゴリラにするなんて一体何の目的があって?」
すると、なぜだか黙り始めた。
そして「ねぇ?今あなた、自分の状況
理解できてます?もうすぐ死ぬというのに」
「はぁ?!なんだよ。俺殺されるのかよ」
「当たり前でしょう。敵と出会ったのに生きて帰れるなんて、そんな夢物語はありません」
だが、突然向こうから
「コロスのはナシだ。ソイツにはまだまだイキテモラわないとコマるからな」
となぜか俺を生かす指示を出す。
女が指示を聞いている間に
俺は走り出した。そして、もう1人のやつに近づいた。
「なぁ?どういうつもりなんだ?俺を生かすなんて、何がしたいんだ?」
「・・・・・・・」
「おい!聴いて・・・・」
「オマエにヒトツオシエてやろう。」
「はぁ?突然何を?」
「ヤミ・・・・ヤミにノマレルなよ」
「飲まれる?どういうことだ?」
「カンジョウ。ただ、それだけをツタエテおこう。」
そういいあいつがを鳴らすと
2人は一瞬で消えた
「なぁ?!!どこへ行った?
・・・・てか今のどういう事だよ?」
あいつが言った闇に飲まれる。
どういうことなんだ?
しばらく考えていると、大事な事を思い出した。
「あぁ!!!!彼女の持ち物、取り返せなかったよ…怒られるな」
俺は残り少ない魔力で元のいた場所に戻る。
だが、案外すぐに無くなった。
「あ、やべ…
・・・歩くか」
そして、俺は歩く。来た場所を戻る。
だが、俺に魔力を与えた場所には彼女はいなかった。
なので、結局ギルドに戻ることにした。
ギルドに戻る頃にはすでに朝になっていた。
扉を開け中に入ると
「鳴海さ〜ん!!!ど〜こ行ってたんですか?」
フォリアが扉の目の前で怒っていた。
「え?あっそれは・・・ちょっっと散歩にでも行こっかなっと思って外に出たら。いつの間にか朝になっていたんですよ!!」
「・・・・嘘ですよね?」
「はい、嘘です。ごめんなさい…」
「はぁ、、言いましたよね私?
安静にしないといけないって!!
しかも美咲さんまだ帰ってきてないし、
2人一緒じゃ無いんですね?」
ん?おい、今なんて言った?
まだ帰ってない?
それを聞くとすぐさまギルドを飛び出した。
「あ!!鳴海さん待ってくださいよ!
まだ話は・・・」
彼女がまだ帰ってきてない?
そんなはず無い。だって彼女は強い。
誰よりも強い。どこかで殺されたなんてそんな事は、、、きっと今頃家で・・
全速力で家に帰り、家の扉を開いた。
そして、家を隅々まで見た。
だが、彼女はいなかった。
俺は椅子に座り込んだ。
「なぁ、嘘だろ。誰か嘘って言ってくれよ!!こんなの認めない俺は認めない。認めたくない」
俺は1人で誰もいない空間で泣き続けた。
そして、1週間が経ったが彼女が帰ってくることはなかった。