走ってるんじゃない、ジャンプだ
105話
俺はやつを追いかけるために全走力で走っている・・・いや走るよりは地面を蹴ってちょっと飛んでるに近いかな?
で、この速度ならば追いつける!
何を盗まれたかは知らないが絶対に取り返してやるぜ。そして、彼女になんでもしてもらうんだ!!
非常に欲にまみれながら夜の町をかける。
「それにしても、さっきより明るくなっているような?・・・気のせいか?
それともそんな時間経ったか?」
気のせいでは無いのだが、何があったかは前の話を読んでいただきたい(宣伝)
「もうそろそろ武器を構えるか…
取り返せるかな?、、、いや俺は強くなったんだ。もう1ヶ月前の俺じゃ無いんだ。
だから、取り返せる!絶対に。絶対に!
そう覚悟を決め武器を取り出した瞬間
「あ、いた。ちょうど街灯があるゾーンで良かったよ。家で見た姿に似てる。
・・・でも、待てよ隣にいるのは誰だ?」
2人は、なにやら話しているように見える。
1人は家で見たやつ。だが、もう1人は黒いローブに、顔全体が覆いかぶさるほどの仮面をつけている。
その姿はまるで・・・悪魔
「これが例の物です。ですが、これが何に使えると?」
「アァ、シンパイするな。それはアトでオシエテやる。」
建物の陰に隠れ、奴らの会話を聴く。
家で出会った方はやはり女の声をしていた。だが、もう1人は声にノイズがかかっているみたいによく聴き取れない。
なので、男か女かも分からない。
「後で?何故今じゃダメなのですか?
あの2人は追ってこないと思います。
なんせ、部下が止めていますから。」
「ホントウにそうか?」
「はぁい?」
「ほらソコニいるだろう?ネズミがイッピキ」
なに?!!バレてるのか!
そんな…ならここは逃げた方が、、、
いや、何を言ってるんだ俺は?
取り返すって決めたんだろ
「『構造変化開始』」
静かに唱える。今は美咲から魔力を受け取っているのでマシな武器にはなるだろう。
その結果、今は両手に普通の剣がある。
「走りで、魔力使っちゃったかな?」
だが、まぁいいだろう。
それより、どうする?あまり派手なことは出来ない。高速で移動する方法もあるがあれはだいぶ魔力を使うので極力されたい。
そんな事を考えていると
「出てきませんよ。本当にいるんですか?」
「ならカクニンしてコイ」
と女がこちらに近づいてきた。
どうするここで、待ち伏せするか?
そうしよう。
足音がだんだん近くなる。ギリギリまで待つ。そして、あいつの姿が少し見えると、
「オッラーーー!!!」
と剣を思いっきり振りかぶった。
だが、切った感覚がまるで無い。
前を見るとそこには何もいなかった。
「おい?なんだよ今の?いたはずだろ」
すると、上から
「残念。それはただのフェイク。
やっぱ・・・あなた素人見たいね」