俺に才能をください
10話
彼女が一瞬で覚えられたと
言った瞬間、少年は
戸惑いと歓喜、両方の感情が生まれた
「一瞬で覚えられたって
そんなすごい話あるのかよ!!
それじゃあ、
はやくそこに連れてってくれ」
少年は、やや興奮気味に言った。
「分かってるから、じゃあ付いてきて」
彼女の歩く方向に、ついて行くと
何やら、武器らしきものが置いてある。
どうやら、武器屋のようだ。
「見て、ここにインスリン注射
見たいなものあるでしょ。
これが、正体」
そこには、本当にインスリン注射
みたいな形をしたものが置いてあった
「これなんなの? どこかしらの
打つとその言葉が
分かるみたいなやつ?」
「いや全然ちがうけど、
まぁ、説明してあげる。
これは、あなたの魔力を最大限に引き出してくれる物なの。」
彼女は突然、魔力などと俺に
円のゆかりもなさそうなことを
言ってきた。
「魔力なんて、ここの住人じゃない限り
ないだろ?
ましてや、普通の人間だよ、俺
いや俺たち」
「あなた、勘違いしているようだから
言うわね。私たち人間も、
本当は魔力というものが存在してるの
ただ、あっちの世界だと、
使い方わからないから、
あることすら気づかないんだけどね」
そう言われた瞬間、少年は
目を輝かせた。
「え、俺本当は魔力持ってんの?
超カッコいいじゃぁぁぁぁん」
「私も、気づかなかったわ。
で、簡単に魔力について説明してあげる
魔力には、基本5属性あって
「火」 「水」 「風」 「土」 「雷」
があるの、まぁこの属性はどこも
お決まり属性ね。
それ以外に
「神」「無」 「闇」
があるの、
神は全属性使えて、ほぼ最強のタイプ
無は神の劣化版かな。まぁ5属性
使えるから、いいけど
で、闇は・・・・正直言って
これは可哀想なものよ。
闇の力を使えるけど、
闇になる人なんてそうそういないから
その使える人は、
多分、「あぁ、この人病んでるな」や
「あ、痛い人間だ」とか周りから
白い目で、見られるの。
あなただったらあり得るんじゃない(笑)」
最後、余計な言葉が入ったが
なんとなくこの世界の事象がわかった。
まさか、自分にも魔力が宿っているとは
思わなかった。
もしかしたら、その能力、
バンバン使って、ウハウハ生活
出来るんじゃないかと、
心の中で思った。
「さて、じゃあ、試してみるか。
てか、まて、美咲どうやって
それ打ってもらっんだよ?
金は?あと言語は?」
「あぁ、心配ご無用。
これ初回はタダなの。
これ打つと、腕にいろんな形のタトゥー
が浮き出るの。
で、その形によって能力は変わるわけ。
その証拠にほら」
彼女はそう言い、ローブをめくって
手首あたりまで見せてくれた。
そこには、本当にタトゥーが浮き出ていた
「これ打つときは、必ず最初に
腕を確認されるの。
タトゥーが無ければ、無料
あれば、有料。でもあんま打ちすぎると
体の機能ほとんどぶっ壊れちゃうから
最初の一回か、もう一回お金払って
打つぐらいで
やめといたほうがいいよ。
でも、もう一回打つのすごい
お金かかるんだよね。
それでも、やる人がいるから、
ほんとびっくりだよ。」
彼女が、お金を払わずどうやって
打ったかはわかった。
だが、まだ疑問な点は残っている。
「あぁ、そういえば、なんで言語通じた
みたいなことも言ってたわね。
それね、ジェスチャーで
なんとか乗り切った。」
な、はぁ、嘘だろ。
彼女、この異世界をジェスチャー
で乗り切っただと。
そんなに、異世界ちょろくて
平気なのか?
「え、ごめん、最初から話して」
「面倒くさいな。まぁ下僕には
はっきり言ってやんないとね。
えっとね、確か、
こっちの世界来た時、たまたま
ここで転移したの。
それで、周りを見たとき
いかにも駆け出し冒険者面したのが
それ打ってたから、
私も行ってみたの。
そんで、これ指差したら、
あっちも腕まくれみたいな
ことしてきたから、
まくったの、
そしたらいきなりボディーチェック
してくんの、さすがに
それには困ったけど、
そしたら突然打ってくれて、
そしたら、急に相手の話してる
言葉、分かるようになったの。
で、こっちの世界の言葉分かるように
なっちゃいました☆」
「オイオイオイ、ちょっと待て
それ打ったら言葉分かるように
なったなんて、初耳だぞ。」
「あれ言って無かったっけ?
まぁ、そこらへんな気にしなーい
気にしなーい」
たまに感のさわる言い方をしてくる。
彼女あまり、そういうことを気にしない
人なのだろうか?
「てことで、あなたも打ってみてよ。
私が、店主に説明してあげるから」
そういい、彼女は店主と話し
俺は、店主が腕をまくれと
指示しているのでまくる、
そして、注射を手首に打つ。
あまり、痛くなかった。
「5秒もしたら、浮き出てくるから
最低でも一個は浮き出るらしいよ。
店主いわく。」
俺はその5秒間、すごくドキドキしていた
「おれ、どんな属性なんだろう」や
「どのくらいの魔力の大きさなんだろう」
とか、
だが、
「・・・・・・、あれっ」
5秒待って出てきたのは
△の半分の形、だけだった
それが出てきた瞬間。
店主は驚き、美咲はえらく爆笑した。
「なにこれ!しょっっっぼ
まさかほんとに下僕クラスなんて
もう、最高!!!」
彼女は、もうすごい笑ってた
なんだろう、目から涙が。
店主も、彼女いわく
「これは、酷い、こんなの初めて見た。
あんたほんとに生きてるのかい?
死んでんじゃないのかい?」
知らない奴に、生きてるか死んでるかも
分からないと言われた。
終わりだ、俺の異世界生活終わった
もう、詰んだ、一生下僕止まりだ。
そしたらそのあと彼女は、
「で、正直言うとあんた、
属性分かんないわ。
さすがに、小さすぎて、
戦ってみないと分かんないわ」
さらに追い打ちを食らった
属性も分からないとなると、
自分が何の敵に有効とかが
が分からなくなる。
で、「戦ってみないと」と言ったって、
基本スペックの低い俺が
序盤、敵とまともに戦えるとも思わない
「ねぇ、俺詰んでるよね。
これダメなやつだよね。
ねぇ、何とか言って」
「ごめん、もうかけてあげる言葉も
見つからない」
俺の異世界生活は、
ここで終わったのかもしれない。
「そういえば、
美咲の属性ってなんだよ?」
「え、私?
私は2つの属性が交わっていて
無が2割、神が8割」
それを聞いた瞬間、
少年は
「あ、この人に一生ついていこう」
そう思った。