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4.~最初の変化~

浩平の場所が家の前に表示されたのでとりあえず着信を入れる。


「なるべく早くオートロックを解除してくれ!今あいつらを巻いて来たところなんだ。」


先に話された。


「りょーかい」

玄関の鍵を解除しておいた。


お茶でも用意しながら待つか、とりあえずテレビでも付けよう。


たまにしか見ないような芸人が映る。

どうやら地方向けのグルメレポートをしていた。


お昼時になると何故か同じ様な番組が放送されている。


観てるやつもよく飽きないよな。


海で漁師に余り物のイカをご馳走になっている様だ。


うーん、腹減った。

ラーメンでも喰うか、とその時携帯の

lane(レーン)というメールアプリが鳴った。


「今から上がるぞ」


とメッセージに入っていた。


廊下が真ん中にあるタイプなので声は良く響くのだ。


さっきまでぎゃあぎゃあと、うるさかったのにこの辺に来るとlaneを使うあたり気を使うなかなかの紳士だ。


学校に行く前にトイレに行っておくか。

用を足して部屋に戻ると友人が立っていた。


何処からとも無く現れた友人は汗だくになっていた。


どうにも様子がおかしい。


「お、お前平気なのか?」

「何が?」


「いや…顔色がさ、その外の奴らと良く似てたもんだからさ」


「顔色はそりゃ悪いよ、ちょっと体調が良くなくてな、頭は痛むし気持ち悪いただの二日酔いだよ。それより外の奴らってどういうことだよ、ここに来るまで随分かかってたみたいだし、外に何かあるのか?」

話ながらベランダの方へ近づく。


「やめた方が良い、それに見るなら奴らに発見されないように様子を見てからだ」

と静かに牽制された。


浩平はゆっくりとカーテンのスキマからベランダを見る。


ここは八階だしベランダには誰も居ないと思うけど…。


遠くに黒い建物が見える。

あんなのあったっけか?


明らかに何かを警戒している。

見つかるとまずい奴がいるんだな?

と考えてたところで声がかかる。


「よし、良いぞ。念の為しゃがんだ状態で音を立てずにベランダに出よう。」


硝子戸をゆっくりと開けベランダへ移動する。

ベランダに出た浩平は手で何かを指差した。

その方向をみると手すり越しに人集りが見えた。


何かに群がっている様に見えたが…。

「化け物だと言ったけど、人が人を喰ってるんだ」

「ゾンビとか?」


浩平は静かに部屋に移動し、手でクイクイと手招きした。


俺は硝子戸をゆっくりと静かに閉めた。


カーテンで窓を覆ったところで答えは返って来た。


「そんなようなもんだと思う。俺も今朝必修の講義があったんだけど、教科書を忘れてな。

通り道だしお前に借りようと思って駅を降りたら、何処から現れたか分からないけど、駅の構内があいつらで溢れてたよ。

走って逃げてる最中、鍵の付いてない自転車を見つけたんでそのまま逃げてきたんだ。」


「噛まれたり、傷付いたらアウトなのか?」

先程からあった疑問を聞いてみた。


「さぁな、アレになった瞬間を見ていられるほど余裕があったワケじゃないんだ。」


少しの沈黙が流れた。


「あいつらは頭は余り良くないみたいだ。目に見える範囲じゃないと追って来ないみたいだしな。だからここに来れた。


ただ、数が多いんだよ、この短時間で出て来たと考えるなら、感染とかそういう類の事も考えないといけないと思う。」


「なるほど、それで俺の顔色がどうとか言ってたのか」


「ああ、どこも傷付いて無い様だし昨日は大変だったしな。」

と笑みがこぼれる。


そして俺はある場所に注目した。

腕を見てみるとそこにあった歯型が無くなっていた。


いったいどういうことだ?


今朝風呂に入った時には確実にあったハズだ。


数時間で治る傷ではなかった。

それどころか段々と頭の痛みや二日酔いも薄らいでいる事に気が付いた。


「なぁ、浩平」

「ん?どうした?」

「実は俺、昨日噛まれてんだわ」

浩平は黙ったまま考えこむ仕草をしていた。

「昨日何があった?」


それから俺は昨日のサラリーマン風の男のことを話し始めた。

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