第6話
開いた瞬間強烈な光が目を差し視界が奪われた。
「まぶし」
こんなに明るかったら目がつぶれちゃう。
しかし、目が少しずつなれてきて風景が見えてくると、それまで聞こえなかった拍手が耳に響く。
先頭から一人ずつ扉へ入っていった。
「緊張しないことが一番大事だぞリベラ。さっき言った手順を忘れないように」
「了解です、ユリウスさん」
話しいてるうちにユリウスも進み私の番がきて部屋に入った。
緊張しない、緊張しない!よし行くぞ。
気合いをいれて私も中に入った。
入った瞬間私は理解した、この式の大きさに!数百人もの伯爵、公爵その他全員が揃っていたのだ。
こんな大イベントとは私は聞いてない、落ち着いていけと言われても無理だよ。
この円形の大広場の向こうに玉座が待ち構えているが周囲に圧倒されてよく見えない。
そんな中、前を突き進み、配置についた。
「こんなに多くの高貴な方々が来ていると驚きだわ」
「静かにっ!式の間は喋っちゃダメだよ」
「了解、ユリウス」
いっけい!つい声が出ちゃった。
新たに伯爵として任命される13人は二列で
拍手が終わるのを待っていた。
司会者らしき人が声を上げる。
「お静かに、願います。新たな伯爵になるもの達が揃いましたので式を開始いたします。司会は、この政•龍炎が勤めさせていただきます」
手汗が止まらない。
気をまぎわらすために、お酒とか飲んでおけば良かった...フリックのウォッカを飲んどくべきだったかな?
「では、一人ずつ任命を行います。名を呼ばれたものは前へ」
「フランク・ルオール」
「はい」
一人ずつ呼ばれ伯爵の証である勲章を授与されていく。
そしてついに私の出番が来た。
「リベラ・ロルザロット!前へ」
「はい!」
まずい、声がひっくり返っちゃった...落ち着け、鼓動激しくなっている。
ぎこちない歩き方で私は段を上り、玉座の前でたった。
今にも心臓が破裂しそう。
そこに王様が、私に近づきバッチのような称号を左胸につけた。
そして王は面と向かって私に言い放った。
「リベラ・...ロルザロット。君を伯爵と任命し伯爵称号を渡す。頑張りたまえ」
「美しい」
しまったつい心の声が!
王様って老けてるイメージがあったがこの王様は、若くて、整った顔立ちに冷たさはなく、むしろ凛とした静けさがあった。
筋肉の鎧で威圧するタイプじゃない。細身なのに、強い。そう思わせる佇まい。
背筋、目線、話し方。すべてがきっちりしていて、乱れが一つもない。
近くで見れば見るほど、まぶしくて、目が合っただけで息が止まりそうになる。
これが“王”か。想像していたのと全然ちがう。
……どうしよう、顔が熱い。
「さー戻りたまえ、でないと式が進まない」
つい私は、王様を夢中になって眺めてしまった
「失礼しました」
元の列に戻ると、ユリウスが小声で呟いた。
「ちょっとやらかしたな、リベラさん」
「王様と結婚したい」
「そうなん....えっ」
ドン引きする目でユリウスは私を見た。
十分承知である、伯爵の私とは無理なこと、しかしあんな男見てしまっては...
「次したら処刑されますよ」
「さすがにそこまではならないでしょ」
「13人入れ替わった理由その無礼をしたから処刑されたのです」
「えっ」
怖い怖い、王様はとても優しい気配を感じたけど、そうでもないかも。
でも、なんか諦めたくない。
「これで式を終える、新任の伯爵たち...期待しているぞ」
僕らは敬礼をし玉座を去った。
拍手の中私たち13人は場をさる。
そして扉は閉まった。
それと同時に私の激しい鼓動も収まり、やっと深呼吸ができた。
「疲れた」
「お疲れ様だなリベラさん、これでお互い伯爵だな、改めてよろしくな」
「よろしくです」
そういえば伯爵ってどんな仕事をすんだろう?全く想像がつかないな。
「そういえばリベラさんってどこの領土を管理なさるんですか?」
「どこって...どこだっけ?わからない」
朝起きたら伯爵だったからねー。
「えってことは、どうやって伯爵に...」
何かまずこと言ったかしら?このままだとまずいかもな。
ちょうどその時、フリックが横から現れる。
「リベラ様、お疲れ様です」
「うわなんか出てきた!...フリック様か」
ビックリした、全くこのフリックは私を不安になせるやろうだ。
「フリック様?..なぜリベラさんが様づけするんですか?」
「私も気になっているんですよ、朝からずっと様付けされて困ってるんです。こうやって勘違いが起こってしまうのでやめてくださいリベラ様」
「こっちのセリフよ、フリック!」
フリックは手袋を外しユリウスに握手を求めた。
「申し遅れますた、私はリベラ様の執事のフリックともうします」
その問にこたえるよう答えるようにユリウスも手を差しだし握手をした。
意外とこの二人仲良くされそう。
「ユリウス•オルドレアです、よろしくだ」