第3話 リーニャ
一回試しにほっぺたをたたてみるか...リーニャにお願いするか。
「リーニャ軽くほっぺたを叩いてくれない?覚めた気がしないんだよ」
「いつから、あなた..様はMになられたんですか」
「Mじゃないし」
この金髪リーニャは伯爵になった私の前でも堂々としているな。フリックにもそうしていたのかな?
後で軽い罰でも与えよっかな。
「それはさておきリベラ様、服を早くお選びください」
「そうだった早く着替えな着ちゃ」
さーて。どれに着替えようかな?
最高級の繊維で作られ、サファイアをふんだんに使われたのもいいし。人を寄せ付けないほど明るく見えてしまう白いドレスもいい、ただどれも目立ち過ぎて王に無礼になるやも知れない。
「リーニャこれだと、王様にブレではないか?派手すぎるとアピールしてるように見えるからね」
「私に合うにはいくらでもありますがリベラ様に合うのは...んーありますかね?」
「嫉妬かね?」
「そうかもね」
「面会が終ったら一つあげるよ好きなの」
「ほんとですか!ありがとうございます」
そんな雑談をしていたらであった、ドアの横にかけられている時計がなった。
ゴーンゴーン
フリックが部屋を出てから、もう二十分は経っている。絶対間に合わない……終わった……。
伯爵初日で、私は人生最大で、そして最後のやらかしをしてしまったのだ。
……いっそ逃げ出そう。そうしよう。
というわけで、周りの高価な物を取り、脱走を試みようとした――そのとき。ドアの向こうから、走る足音が聞こえてきた。
「失礼します、リベラ様。時間を過ぎましたので、無礼をお許しください」
えっ何をするの?怒られるのかな?
「……はい」
「では」
それと同時に、フリックは腰を下げ服をつかんだ。
いったいなにをするつもりなんだ?
そう思った時、予想もしていなかった最悪のことが起こった。
フリックは私の服を掴み、いきよいよく全てを脱がしたのだ。
バリバリ
この乙女な私の服を脱がし、なんなら下着の下まで……見られてしまった。
「私の理性はもう死んだわ……好きにしなさい……」
「何を言い出すのですか?では行きますよ」
フリックは私を肩にひょいと担ぎ、窓から飛び出した。
「えっちょ、ここ二階よ!下手したら死ぬって」