彼は彼で、私はわたし
テレビから流れる音
歌番組
「歌っていいよ~ね!」
で、やっていた新人の歌い手たち。
今、わたしが聴いているのは
「きっと忘れてしまう」歌手名、SHIA
~♪
きっと忘れてしまう 昨日の出来事も
きっと忘れてしまう 明日の準備品も
きっと忘れてしまう 今日はスマホ置いていった
きっと忘れてしまうかも、わからない悪循環
忘れないように、準備してたのに...なぜ?
カバンにあれもこれも入れて、大事なもの見落としてる
きっと忘れてしまう 足りないものわからない
きっと忘れてしまう 近くに置いてたのに
きっと忘れてしまうけど、いつもじゃないからまあいいや いや
きっと忘れてしまうだろう...
でも、忘れたっていい それでも生きてるから
つらいこと忘れちゃう
だから良くも悪くもそれでいい!
こんなもんだよな 人生って
佐「そう言うもんか... わたしもたまに忘れちゃうときあるけど
忘れたくない。大事な事を覚えているなら、つらいことだって残ってても
幸せが書き消してくれる。 はず...」
寝転がって、自分の大事なものって何か
なにが重要とか考えてしまう...
そもそも、大切にしてたって...
いつかは手から離れてしまう。
それがわかってて...(ためいき)
佐「ん?[男性社員の一人が、パワハラと暴行罪で逮捕?]
え...この会社って、」
スマホに一つのニュースのお知らせが。
そこに、掲載されていたのは
るいが、前職で働いていた会社だった。
名前も載せられていたが...まさかの、元上司。
本人は、パワハラなんかしていない。
身だしなみなどの指導や、人の正義を守った。
などと、容疑を否認している...
過去にもパワハラ行為をしていたことが明らかになり、
一人の女性が辞めた...ってこれ...
私?!...
佐「まさかね...。いや、もうやめたし。
関係ない。」
お菓子を食べながら、バラエティ番組を見る。
なんだろう...
いつも面白いはずの番組が面白く感じない
なんか...
たぶん、思い出したのかも。
あの会社で努力した確かな形が、一瞬で壊されたこと
人格否定するような、言動
佐「(涙) 泣いてる場合じゃないのに...吹っ切れたはずでしょ!
なんで...」
本当は、認められたくて
何か変えられるかもって頑張ってた自分は
今、黒くにじんでいる。
カチッカチッ)
カチッ)時計が止まる
ピーンポーン)
チャイム音
佐「はっ?...(涙) また?...」
そっと開けると、謎男...いや、
勝八。
また、泣いてるってバカにされる。
そう思いながら 席に着くと
勝「見た?...パワハラで逮捕された男。」
佐「う...うん。」
勝「こういう世の中だから、生き辛さを感じて 余裕も無くしていくんだ。
誰かが傷ついて、一人で抱えて 泣いても気づいてもらえない。」
勝八は、どこか寂しそうな表情をしながら、怒りと悲しみが混じった声で
呟いていた。
勝「君みたいに傷ついても、前を向こうとしてる人を
俺は尊敬してる。 一人で泣いてるは頬って置けないけど...」
そっと優しく抱き締めると、勝八は、るいの頭を撫でて
落ち着いたトーンでささやいてる。
佐「勝八?」
勝「人と比較して生きる。
それは、多分...そうやって生きてる限り変えるのは難しいかもしれない。
だからこそ、忘れてはいけない。 俺は俺であるように、君は君だって事。
言葉の線を引くのは簡単だ。でも、君は違う。ちゃんと自分を持ってる
嫌なことを切り離せる。努力をやめない。」
勝八とは、会ってまだ少しなのに
わたしのことをよく見ていて、大丈夫。って言われてるような
でも、どこか遠くに感じる。
勝「ごめん。こんなことに時間を使わせるつもりはなかった...
俺が君に会いたくて、話したくて...
また、来るから。君が泣いてなくても、会いに来るから」
佐「待って!行かないで」
引き止めてしまった...
変に思われたかな?
いや、ここは引かないで 気持ちは伝えなきゃ!
佐「ほ...ほら、今日はミニイベントがあって ケーキ買って来たからさ...
一緒に食べない?」
彼はフッと笑うと、「いいよ」と引き止め成功。
勝「じゃあ、いただきます。
うん、美味しい(^-^)
君ってさ、もしかしてさみしがりなの?」
佐「え...? そ...それは」
勝「図星だw
へぇ~ そっかさみしがりかぁ~」
からかうように笑いながら
わたしをみて、ケーキを頬張って
彼は子供みたいだ。
どこにでもいる、少年のような一面。
佐「あの、勝八も名前教えてくれたし、
ほら、わたしの事教えてないでしょ?」
勝「そういえば...
誰?名前教えなさい!って言ってた君が、名乗ってないじゃん。
俺だけ損なんだけど...」
佐「それはすみませんでした。
改めて、佐々城涙です。
友人からは、るいって呼ばれてます。」
紙に書いて、漢字の説明をしてあげると
勝八も、わたしの知らない勝八の名字を書いてくれた。
勝「へぇ、るいってなみだって書くんだ。
由来とかあんの?」
佐「由来...
よく... よく泣く子だったから。
それに、涙を流すのがすごく綺麗だった。って言うのも母から聞きました。」
勝「確かに、綺麗」
またからかわれてる?
ものすごく顔が近い。
なんで近づいてくるの?...!
心臓の音がうるさい。
勝「口にクリームついてるよ」
佐「え?(゜д゜)」
慌てて拭うと、本当についていた。
勝「ケーキごちそうさま。
また来るね(^-^) 次は泣いてないときに来たいな」
そういうと、かえって行った。
あれ?そういえば、勝八の家知らなくない?
また、今度でいいか。
さっきの、紙に書いたお互いの名前を見つめて
微笑み、お風呂に入って寝たのでした。
[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]
佐々城 涙
正 勝八
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※これらの登場人物やストーリーはフィクションです。