第1章 出会い「霧華」 7
「おわあーー!!無理!無理ぃ!!」
「ブゴオオオ!!ブゴオオオ!!」
知らない!俺、あんなデカイ猪知らない!!
体長約10メートルはあるだろうか。
そんな猪さん、なんと団体様でいらっしゃいました
いやいやいや!
これもう災害じゃん!なんで国は放置してるんだよ?!
「おやおや、どうしましたか?先ほどから背を向けて
走られて…ぷっ」
「いや、おかしいだろ!なんで俺の方ばかりこいつら
突っ込んでくるんだよ!ちょっ!おまっ!
いやぁ!服はやめてぇ!」
大変な小金を見てゲラゲラ笑う霧華
「ふぅ…久しぶりに笑わせて頂きました。手を貸しましょうか?」
「はい!是非お願いします!助けて下さい!霧華様!」
霧華はスッと指を猪の方へ向け無数の炎の弾丸を
連射し始める
ズドドドドッ
放った炎は全て猪の頭部に命中し確実に1発でしとめて
いた
「す…すげえ…やっぱ魔法ってすげえな…っておい!
山の中で炎使うなよ!延焼したらどうすんだ!」
みるみるうちに数が減っていくが…あくまで一部
後ろからも、それはもう大変な数の猪さん。
これ終わりが来るのだろうか
「ふむ…めんどくさいですね。まとめて消し飛ばしますか」
そう呟き霧華の身体から凄まじい魔力が放出
されていた。それと同時に地響きも起きていた
「おわっ!?なんだ?!体が引き寄せられっ…」
すぐ近くにあった岩にしがみつき、空を見ると
そこには青く輝く球体が浮かんでた
100メートルはあるだろうか…その中に山の木や岩、
そして猪たちが引きずり込まれている
「ふふ…とっておきですよ小金さん。是非お見逃しないように」
「ちょっ!霧華!やめっ…!」
「アルティメット」
球体は渦を巻き中央部で巨大な爆発が何度も起きていた
数分後、山はなくなり平地になっていた
そこに人影が二つだけ残っている
「ふぅ…スッキリしましたね。しかし一撃で
終わってしまうとは…やはり魔法というものは退屈
ですね」
「このバカ!バカやろう!猪どころか山まで吹き飛ばし
やがって!こっちも殺す気か!」
「おや…消し飛ばしたつもりでしたが。生きていましたか
これが闘気士の能力でしょうか」
「違うわ!あんなの防げるか!てか、なにナチュラルに
消し飛ばす前提にしてんだよ!」
「ぷっ。お怒りも分かりませんが。その前にレディに
そのお姿はどうかと…ぷぷっ」
「へ?あ!いやぁ!見ないでー!」
小金の叫びが荒野に響いていた