第1章 出会い「霧華」 3
いつの間にか日が傾いていた
どうやら思ってた以上に興味を持ってくれた
ようだ。
うんうん、話を聞いてくれるだけでも
俺にとっては凄く有意義な時間である
大半は聞いてくれもしないからな…
「あら、どうかしたかしら?
今日はもうおしまいかしら?」
「え、あ、そうだな1日では語り尽くせないしな
それにそろそろ宿もとっておかないとだしな」
「そう…珍しく今日は時間が経つのが早かった
気がするわ。それに闘気…とても興味が湧きました
次はいつ聞かせてくれるのかしら?」
おっと…これは予想外だったな
リピートご依頼なんてものは実は初めてだったり
する。
大半は無視されるか、興味も引けない
魔法の方が便利であるとか
挙げ句は衛兵に不審者として突き出されそうに
なったり…全くヒドいものだ
「これは嬉しいな。よければ明日にでも
今度は実際に闘気士としての戦い方をお見せしようか?」
「ふふ…楽しみが1つできましたわ。それでは
ごきげんよう」
「あ、ああ。今日はありがとう」
彼女は軽く挨拶し自宅の方へ帰っていった
さて…今日の成果は素晴らしかったな
もう旅を始めてから何年も経っているというのに
ここまで手応えのある成果はなかった
「あっしまった…!宿の場所を聞くの忘れてたな」