第1章 出会い「霧華」 2
村の中央にある噴水、これが村で唯一のシンボル
になっている。
私の家は中央付近にあり部屋からいつでも
眺める事ができる、そして私は今パタパタと靴を
履いてゆっくりと彼に近づいていく
(人と…それも男性の方とお話するのは、いつぶり
でしょうかね…そもそも家から出る必要もなかったので
家から出る...という行為が久しぶりですね)
「まずは初めましてね。黒崎霧華よ
こう見えても魔法使いでもあるのよ」
「おっと…これは女性に先に名乗らせるとは失礼した
森崎小金だ、先の挨拶に述べた様に闘気士をやってる」
「ふむ…今日は初めて聞くものばかりですね
それで?闘気士、そして私にはその才能がおあり…と
説明して頂けるかしら?」
「そうだな…まずは闘気…すなわちオーラ。
これは魔法の才能が無くとも誰でも持ち得ている
体から発せられているもの。俺が多分最初に発見し
それを鍛え上げた者だ」
「あら…そこは最初の発見者とは言わないのね」
「そうだ。これは長い歴史を見ても、発見者の名が無い
そして使い手の名もない。理由は分かってると思うが
魔法の影に隠れてるからだ。悪い表現するなら劣化魔法」
「その劣化魔法の素晴らしさとは何かしら?」
「答えは簡単だ。魔法と違い才能が要らん。
鍛えれば魔法と遜色なく使える、そして極めたものを
俺が勝手に闘気士と呼んでいるだけだ
まずは身体の強化。これが始まりであり究極である
次に闘気のバリエーション。火、水、雷、土、風、
闇、光。
これは魔法の種類となんら変わらん。強いて言えば
他者を癒すものが無い…これが俺の見解だな」
「なるほど...それで魔法を極めた私にどのような
力があるのですか?」
「そうだな…正直言わせて貰うと未知数…だな
今、君は気付いてないのかな?身体中から漆黒のオーラが駄々漏れだぞ」
「…それは困りましたね、いつも全身真っ黒のコーデでして…これでは私の姿が見えないかもですね。
それで?漆黒だとどの様なことが?」
「黒色ってのは全ての色を混ぜると生み出す事ができるいわば最後の色ってことと、他の色を全て塗り潰し自分の色に染め上げれる2つあるんだけど
最初からその色を持ってるのは素晴らしいことなんだ」
「ふむ…理解しました。それで具体的な使い方とは?」
「君の様な人は前例がないからなー。実は魔法使いの
方にオーラの使い方をレクチャーってのも初めてだったり
するんだ。そこで…どうだろうか
俺と一緒に それを探してみないか?」
そこで彼女はまたニヤリと笑う
「ふふ…面白いですね。この私がまだ知らないことを
知ることが出来るとは」
「退屈凌ぎにはなったかな?」
「ええ…とても…俄然興味が湧きましたね」
そして彼女はクスクスと笑っていた