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闘気士「オーラバトラー」  作者: 月下澪
第2章 2人の門出 ーいざ魔法学園へ!ー
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第2章「アカネ」 君は弱虫なんかじゃない!1

受付を半ば強制的に終わらせ中へと入る

会場はシンプルな形状

中央に100m四方の石の床

二階建てで客席は二階から見下ろす形になる

入口も出口も1つで東側と西側に別れてるが

利用時間が迫ってたので俺達は一緒に東側から

入場する


そのままアカネは西側に立ち俺は東側に立つ

霧華は二階の客席へと移動していた


(不愉快だな…俺達が受付を済ませる頃には

人が居なかったというのに、彼女…アカネが

参加すると分かった途端に人が集まりやがった…)


この町では彼女が参加すること自体が

もはや名物と化していた

内容は酷いもので彼女が参加して負ける姿を見て

それを嘲笑う…俺にとって、そして彼女にとっても

屈辱的だ。

戦士として戦う。それの何が悪い

勝負なのだから勝ち負けある、当たり前だ

この町でも魔法至上主義が色濃く出ている


受付の男も、このギャラリーの連中も

まだ俺が魔法を使えないことを知らない

受付の時に霧華が魔法を使ったからな

連中の予想は俺が彼女を魔法で一方的に倒す

そんな予想だろう


「ちっ…どいつもこいつも飽きもしねぇで…」


彼女は連中の声に、もう慣れているのだろう

おそらく何度も戦いそのたびに屈辱を受けてるのだろう

普通の人間なら耐えられないはず…

それでも彼女は諦めてないのだろう

俺は再度、彼女の可能性を確信する


(やっぱり勿体ない…俺に出来る事は…

そして彼女の思いを…心を救ってやるには…)


傲慢でも自分勝手でもいいさ。

俺はこの世界に絶望してる人を1人でも多く

救ってやりたい。

そしていつか、その力を世界に認めさせて

互いに協力し切磋琢磨できる関係を築いていきたい。

その為にはまず、目の前の彼女に知ってもらう必要

がある。

次に俺の力を見せる必要もある。


「周りなど気にする必要ないさ。

今は俺達2人の時間だ。さあ、来るなら来いよ!

昨日の鬱憤晴らしたいのだろう?!」


「くそがっ!生意気なんだよ!でめぇ!」


俺の言葉と共に彼女が距離を詰めてきてバトルアックスで斬りかかる

そして振り下ろされた斧の刃を俺は赤いオーラを

腕に纏い掴みとる


「んなっ!?てめぇ、素手で掴みやがっ…!

やっぱり、てめぇも奴らと同じ魔法使いか!」


「魔法…?なんの事だ?

俺はそんなもの使ってない。

それに、なんだ…やっぱり君も見えてるじゃないか。

この俺と…そして君の中に秘めている同じ闘気を!」


「くっ!くそっ!離しやがれ!」


俺はそのまま斧を引き寄せ彼女の下に潜り込み

右手の赤い闘気を纏った掌底で顎を貫く


「ぐはっ!」


勢いよく彼女は宙に舞う


「どうした!?そんなものか!?

俺を殺すと言っただろう!

その程度じゃ俺を殺すどころか膝も付かせられんぞ!」


「く…くそがっ!」


彼女は斧を振り回し小金に接近するが

小金は全て避けずに、ただ斧の軌道を逸らしていた


「単調すぎるんだよ!もっと頭使えよ!」


「偉そうにすんじゃねえ!魔法使いやがって!」


「まだ言うか!なら、闘気すら使わずに戦ってやるよ!」


小金は斧を今度は闘気すら使わずに弾き飛ばす

そして彼女の左手を掴みとり背負い投げをする


「がはっ…!」


石の床が割れる程の勢いで彼女を叩きつけるが

追撃はせずその場を離れる


「…」


(やり過ぎたか…?!でもな…この闘技場に立った瞬間

俺達は戦士だ!ここには男も女も関係ない。

手加減は戦士への侮辱だ…)


その時、会場が予想通りの反応をして俺は

怒りが沸いてくる


「今日もこうなったか!やっぱり弱虫アカネだな!」


(こ…こいつら…!ただ見てる一般人の分際で…!)

怒りが頂点に立ち、俺は使いたくなかったが最後の手段を選択する

「霧華ぁ!!今侮辱した連中を黙らせろぉ!!」


霧華はコクりと頷き掌を空に向け


「ライトニングレイン」


雷の光が侮辱した連中に降りかかる

ちゃんとバカにした連中の数だけに加減をして


「全く…下品極まりないですね。しかしやはり一撃とは…

魔法とはやはり退屈ですね。」


会場が一気に静まる…

さすがは霧華様だ。


「彼女をバカにする奴は俺達が許さない!!

外野は黙ってろぉお!!」


小金は会場に響く程の大声で叫ぶ


(しかし…これじゃダメだ。これでは彼女の為に

何一つなってない…どうするか…)


視線を仰向けに倒れてる彼女に戻すと

小金は信じられない光景を目にする


(な…なんだ…?…気を失ってなお、この闘気…!

す、凄い...)


そして彼女は立った

気を失っても闘争心で立ち上がった…

凄まじい執念だ…


虚ろな目のまま小金の方を向き

声にならない声で叫ぶ


「があああああ!!!」


それは叫びというより咆哮に近く

会場をも揺るがしていた


長い咆哮の後、静かになった

瞬間に彼女の姿が消え

小金の左頬にパンチが入る


ゴシャアッ!!

一瞬の出来事に小金は反応出来ず吹き飛ばされた


「ぐぁっ…!!」


真っ直ぐ吹き飛んだと思えば飛ばした先に

既に彼女がおり、地面を抉りながら

空へ向け小金の腹に蹴りを食らわせる


ズドン!!

ミシッ…!ミシッ…!

(ぐぁっ…!ヤバい…!お…折れたか…!)


空へ向け吹き飛ぶ

しかし、上には彼女の姿が既にあり

スレッジハンマーを頭へ食らわせる


勢いよく地面に叩きつけられる

小金の意識は朦朧としていた


「は…ははっ…誰だよ弱虫アカネとか言った奴…

とんでもない化物じゃないか…

この町の魔法使いは、この彼女を…赤子扱いしてるって

か…?」

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