第2章 2人の門出 2
「うーむ…失敗したなー。」
「む?失敬ですね。レディに向かって失敗とは
ガッカリです」
村をあとにした2人
出発した日から約2日ほど
早速ピンチになっていた
その訳とはーー
「ち、違ぇよ!食料が枯渇したんだよ!
村から出る前に買っとけばよかったって意味だよ!」
そう。食料のストックが底をついてしまった
ここは村から出て約70kmほど既に離れた街道。
まだまだ次の町までは距離がある
周りを見渡せど一面荒野。
川も無ければ動物が出そうな森もない
まさにピンチである
「ふむ。これは確かに困りましたね
水なら魔法でどうにかなりますがね。食料を生み出す
魔法は生憎覚えていませんね」
そんな魔法あったら怖いわ!
なんだよ食料生み出す魔法って!
俺が知りたいわ!
しばらく空になった食料袋を眺めながら
途方に暮れていると何やら物音が聞こえてきた
「うん?この音は…馬車か?」
「そのようですね。いかがしますマスター。
ダメ元で声かけてみますか?」
そうだな…このまま呆けていても仕方ない
声をかけてみるか。路銀はあるし最悪売ってもらおうか
いざ声を掛けようとした所、運が良かったのか
向こうから声を掛けてきてくれた。
「おおい、そんな所で子ども2人でどうしたー?
迷子にでもなったかー?」
馬車を牽いていた男性
五十代くらいかな、茶色のハットに白い髭
なんとも優しそうな顔つき。
綺麗な服を着こなしていて
こんな荒野をうろつくには違和感がある
そして後ろの荷台には沢山の荷物が乗っている
御者の方なのだろうか
「いえ、迷子ではありません。私共は次の町に行く
途中に食料を切らして途方に暮れていた愚か者ですわ」
ちょ…霧華、言い方…
間違ってないのが余計にムカつくなぁ
「おお!そうかそうか!それは大変だな!
ワシもこの先の町に用事があってな。どうじゃ?
乗っていくか?ついでに昼食にでもするかの?」
これは願ってもない最高の待遇じゃないか
なんていい人なんだ…!
「あ、はい!是非!お願いします!」
すると馬車から叔父さんは降りてきて
手際よく昼食の準備をして
あっという間に料理を作ってくれた
3人で他愛もない話をしながら
食事を終え、馬車を走らせ始める
それから約5時間程で町の入口に到着した
「それじゃあ、ここまでじゃな!この先は商人用の
通用口に向かわなくてはならんのでな!
久しぶりに楽しかったぞ少年。達者でな!」
「ありがとうございました!すごく助かりました!
お達者で!」
挨拶をして馬車の叔父さんと別れ
俺達2人は一般用の通用口へと向かう
そこで1つ、小金はふと疑問を抱いた
「そういえば霧華。お前、身分証は持ってるのか?」
「はい?なんですかそれは。有るわけないでしょう?」
なんでそんなに上からなんだよお前は…
まぁ、無いなら無いで別に構わないんだけど
手続きが面倒くさいんだよなー…
入口の列に並び自分達の番がくる
「次の方どうぞー」
門番のお兄さんが優しく誘導して2人を呼ぶ
俺は身分証と商品販売許可証を出す。
「はい。結構です。そちらの女性は?」
「私は身分証など持っていません」
「わかりました。それでは、こちらにお名前と
出身地などの記入をお願いしますね」
霧華はスラスラと用紙に記入していく
あっという間に記入を終え門番のお兄さんに
手渡しする
「はい、結構です。ではこちらをどうぞ
仮入門証ですねー、帰りに返却をお願いしますねー」
あれ…すんなり通ったな。
霧華の出身地は確か名前が無かったはずだが…
もしかしたら、別の町で暮らしてた事があったのかな
「マスター。お待たせしました
さあ!いざ、闘気士の布教を始めましょう!」
やめろ!いきなり出禁になっちまうだろ!




