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人はそれを〇〇りと呼ぶ

不思議な事にこの怪奇現象は、いつも決まった時間から起きる。

このような怪奇現象が毎朝起きるとは知らずに、私は軽い気持ちで修理を引き受けた。

修理とは、連休前までバッチリ写っていたモニタが連休明けの朝に突然に全く写らなくなっていたので、予備の新しいのと交換することだった。

何事もなく故障した方のモニタを修理に出すよう手配し、「これで1件落着した、いい事をした後は実に気持ちがいい」

と、その時は思っていた。

後日の朝、私の部屋の隣で仕事をしている責任者に、モニタの具合を聞いたころから話しが怪しくなってきた。

聞いたところによると、朝の9時過ぎた辺りから、どこからともなく、キーンという耳障りな音が聞こえて来るそうな。


そういわれると、私としてもモニタを替えた責任上どうにかしようと部屋で待っていると確かに朝の9時過ぎたころから、キーンという音が聞こえてきた。

部屋の責任者と二人でこの耳障りな音がどこから聞こえてくるのか、発生源を突き止めようと色々なところに耳を近づけて聞いてみても発生源は特定できなかった。

このような状態が何日も続いたある日ついに私が発生源を突き止めた。


カメラ・コントローラが発生源なので、コントローラを介さずにアンプから直にモニタに繋いだ。

それで直ったと安心したところ次の朝もやっぱり、9時前からも同じように音が出た。

発生源は結局分からず時間がたてば、耳障りなこのキーンという音はぴたりと止むので、責任者には納得してもらった。

ところが、その頃から責任者には音も無く悪魔が忍び寄っていた。

隣の部屋で仕事をしていた私は、毎朝責任者が悪魔にとり付かれているとは、露ほども思ってもいなかった。

壁を一つ隔てた隣の部屋では、仕事をしているはずの責任者が悪魔と戦って、苦痛の為に洩らすうめき声と思うのを今にしてみると時々は聞いていたのに。


責任者は私に必死でSOSを声に出そうとするそうなのだが、体の自由が聞かなくなって、意識がスーッとなくなるのだそうだ。

本当の恐怖はその後やってきて、隣の部屋で仕事をしている私も責任者同様心臓が止まりそうになるくらいドキッとする位の大音響に聞こえる。

それは、機械が動く騒音がが急に静かになるのです。

そして、なぞの社内電話が鳴り出すが、この電話に出るだけの気力は今の責任者には残されていない。

直後に隣の部屋の窓ガラスに鳥でもぶつかったのかと思う位の大きな音が窓から聞こえる。

その音がした直後責任者の意識が戻って何事も無かったようにモニタの監視作業が続く。

ピー音の中で体中をだるさが襲い、意識がなくなり窓をたたくような大きな音がすると、なくなった意識が戻ると言う不思議な怪奇現象が今日も責任者を襲う。


この怪奇現象を社員は単に「居○り」と呼ぶが、真相はいまだ明かされないままだ。

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