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第6作品目:やっぱりこれが一番だよね「金魚ビール」

 金魚人は日本にある、とあるビール工場に見学に来ていた。ビール工場のおじさんに美味しいビールの作り方を教わり「金魚ビール」 を作った。


 これを世界中に広めたいと思った金魚人はラジオ番組の企画に参加することにしたのだった。



 企画投稿時はコメディー〔文芸〕作品でした。


・作品についての思いやお話しなどは後書きに掲載します。


 金星から移住してきたという金魚人達は、なぜか日本のビール工場を見学していた。そして独自に作った「金魚ビール」 を世界に広めたいと考えた。


 ……そこで宣伝してもらおうと選んだのが、なろうラジオ大賞5の企画だった。


 なぜ「金魚ビール」 なのかは金魚人にしかわからない。なぜラジオなのかも金魚人にしかわからない。  


 ここで採り上げてもらえれば「金魚ビール」 の宣伝になるかもしれないからなのは確かなのだが。


 ──────パーソナリティのお二人が楽しそうに飲む様を想像して「金魚ビール」 の文章を書き上げていく。

 


 「仕事終わりに飲む、金魚ビール。これが最高なんですよ」


「金魚ビールがなんの事か分らないだって? 金魚ビールはね、美味しいんです」


「金魚ビールを飲むと翌日も元気出るんです」


「金魚ビール最高、えっしつこい? 金魚ビールアピールし過ぎでしたね」


「でもね金魚ビールが旨いから宣伝してます」


「金魚ビール金魚ビール金魚ビール! 金魚ビールで踊っちゃいますよ〜〜〜っと」


「金魚ビールの効果わかったでしょう。金魚ビールは魔法のお薬なんですよ」


「金魚ビールは神!!」



 金魚人は金魚ビールを飲みながら、これならいける──────そう思ったらしい。


 しかしその経緯をずっと見ていたビール工場のアドバイザーがボソッと呟く。


「金魚ビールがどういうものかは置いておいて、一応日本ではお酒の販売には許可証がいるんだよ」


 金魚ビールを売る事に酔っているであろう金魚人に、ビール工場のおじさんは丁寧に教えてくれた。


「あとね、金魚割りって金魚が飲めるくらいの濃度のお酒の飲み方や、唐辛子やシソの葉なんかを入れて金魚鉢に見立てる飲み方があるんだ」


 おじさんは熱心に教わる金魚人の熱意に押され、つい色々と省略していた事に気がついたのだ。


「金魚ビールってなんか塩っぱいよね? 塩水浴で金魚は回復するけど人間はしないと思うぞ」


 金魚人はカルチャーショックで崩れ落ちる。地球人も金星人も凹み方は同じようだ。


「そもそも金魚人って何だい。金魚は淡水魚なのに、金魚人は海水も泳げるのかね」


 ────金魚は泳げないかもしれない。金魚人は泳げる。じゃあ金魚人は金魚ではないねかだな────


 ────ビール工場のおじさんの舌鋒は止まらない。陸に上がった魚に対して容赦なしだ。先程までビールを囲んでワイワイやっていたのが嘘のよう。


 自分のビール工場の美味しいビールに酔っていたおじさんは、「金魚ビール」 の回復力によって酔いが冷めてしまったのだ。


 「金魚ビール」 の回復力は人間にも通用さしたではないか。でも、金魚人にはわかっていた。


 おじさんは「金魚ビール」 を飲んで、ライバルと認めたのだと。


 こうして金魚人の野望は、脆くも崩れ去った。美味しいビールが飲みたい。美味しいビールと言えば「金魚ビール」 と言われるまで、金魚人の挑戦は続くのであった。


「────いや、マジで何者?!」


 おじさんの雄叫びは、熱意を取り戻した金魚人達の耳には届く事はなかった……。

 お読みいただきありがとうございます。 

 

・ジャックと豆の木についての考察は色々あります。私がしっくり来たのは童話の誕生した当時の時代背景を鑑みたものでした。


 加筆再掲載版なので、少し暖炉に関しての情景を増やしました。後で生まれる暖炉の魔人の伏線ってやつですね。


 あと書いてて思ったのがどんなにセキュリティ上げても、警備員も警察も駆けつけられるかわからないな、と。


 感覚でしかなかったのですが、おかげで秘密にした部分はそうした考えと後の話しにうまく伏線的に繋がる仕掛けになりました。

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