6話
「次は建築屋さんかな」
―
「すみませーん」
「おう!嬢ちゃんが今噂の写真家とかっていう」
「あ、そうです」
「それじゃまずは俺らの集合したところでもお願いしていいか?」
「大丈夫ですよ」
―
「どこに立てばいいんだ?」
「そうですね、できれば看板を背にした状態で撮った方がいいかもしれません」
「そうすると少し場所がないか」
「椅子か机などがあればいいんですが」
「そうか、今持って来るからちょっと待っててくれ!」
―
「嬢ちゃん服が汚れちまうがいいのか?」
「いいものが撮れるなら構いません」
「俺たちは前を向いていればいいんだな?」
「はい。こっちは向かなくて大丈夫です。それじゃまず一枚ー」
―
「最後にとびきりの笑顔を一枚撮りますー」
「笑顔っつてもなぁ」
「うーん…それじゃ私に注目してくださーい」
「ん?お嬢ちゃんをみ…ブフォ」
『ガハハハ、ゲラゲラ』
「はい大丈夫ですー」
「お嬢ちゃんそんなこともできるのか!すごいな!」
「いい写真を撮るためですからね!」
「それでどんな感じなんだ?」
―
「おお…両方ともいいな」
「これなんて親方が凛々ししいじゃないですか」
「俺はいつでもそうだろうが!」
「際立って見えるってことですよ!」
「確かにな。これは入り口に飾ったらいいだろうな。こっちもみんなが笑ってていい絵になっているな。この2枚ともいい
か?」
「いいですけど…まだ地図用の写真…」