5話
「こんにちは。街長から依頼されて来ました」
「こんにちは。バー“マスター”のマスターです」
「ここは何が有名なんですか?」
「そうだねぇ…お酒は飲めるかい?」
「少しなら飲めます」
「そうか…飲んでも仕事になるかな?」
「強さにもよりますが…」
「そうか…それじゃ最初に外の写真を撮ってもらって、仕事中の写真、最後に商品の写真っていう感じはどうかな?」
「わかりました。それでは一緒に外に出て来てもらってもいいですか?」
「いいよ」
―
「話に聞いた通りすぐできるんだねぇ」
「こっちの角度からと向こうからの角度なんですが、どっちがいいですかね?」
「私はこっちの方がいいと思うんだが…」
「奇遇ですね。私もそう思いました」
「それじゃ外はこんな感じでいいかな?」
「次はマスターの仕事風景ですね」
―
「どんな感じでやればいいかな?」
「いつも通りに仕事してもらえれば勝手に撮っておくので」
「でもなぁ…なんか見られてるって思うと…」
「いつも通りでいいんです。それではおすすめのお酒を一杯いただいても?」
「わかりました」
―
「これがこの“マスター”の一番人気の“溺れる花園”です」
「フルティーな香りに程よい甘味。口に広がるのは花の蜜のようですね」
「実際に食べられる蜜を使っているのがポイントなんですよ」
「今の優しい顔いいですね」
「え?」
「これが仕事中のマスター、こちらが商品になります」
「へぇー…いつの間にできたのかわからないけどいい出来だ…」
「いいものだと思いますよ」
「これでお願いするよ。これ、金貨3枚ね」
「ありがとうございます。また何かあれば今度言ってください」
「今度はメニュー表でも作ってもらおうかな?」