3話
「色付きは2倍です。それでも白黒より買われる方が多いんですが」
「うーん…確かに色付きの方が色々とわかりやすいな…」
「風景そのままなんで説明とかする時は楽かと。2枚買ってもらえたら白黒も好きなやつ一枚つけますよ」
「商売上手だなぁ…それじゃこれとこれ。それでこれをつけてくれ」
「また何かあれば何なりと」
「これだけ仕事が早い上に丁寧な作品、これは売れるな」
「一緒に宣伝してくれると助かります」
「そのための白黒とカラーだろ?ったくやられたぜ」
「なんのことでしょう?」
「少し頬が緩んでるぞ」
「これはすみません。元々こういう顔ですから」
「そう言うことにしておいてやるよ」
「ありがとうございます」
「嬢ちゃんまたな」
―
「っていう話を覚えているか?」
「ええ、まぁ。一番最初のお仕事でしたし」
「ってことで宣伝したらこんな案件がきた」
「街の地図を作ってほしいと?」
「ま、簡単に言うとそうだな。金も書いてある通りだし、街長からの仕事だから騙し取れることもないだろうし、上手く行
けばこれもいい宣伝になるだろう?」
「本当に最初の仕事からいい仕事を貰ってばかりですね」
「嬢ちゃんの仕事の良さだろう?」
「おじさんの人柄の良さじゃない?」
「ったく…これもおまけだ!」
「ありがと!」
「まぁ、実際これだけ綺麗な写真?で地図とかができるなら人の流入も見込めるんじゃないかって話だ」
「一枚できちゃえば後は簡単ですもんね」
「嬢ちゃんにしかできない仕事だ。上手く行けばこの世界に名前が伝わる」
「とりあえず、街長さんにあってくるよ」
「そうだな。俺を通してだとわかりにく所もあるかもしれないからな」
「それじゃご馳走様。お金置いておくよ」
「おう、気をつけて行ってこいよ」
「ありがと!行ってきます!」