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Road

Road

「ふぃ~さっむ…あの時は陽気はどこへやら…」


いつも通りと言っても過言では無い、僕が今通っている≪広陽高等学校≫へ続く登下校ルートを歩いてるだけにも関わらず、涼しいような寒いような…そんな曖昧の風が身体に当たっては体温を奪ってくる…。

夏休みが終わって季節は秋のシーズン…その曖昧な風の事を総称するなら、秋風と呼ぶべき…。

でもさ???


いや、寒いんよ。

もう冬風で良いだろこれ。


だって…俺が一番好きな季節って実は秋なんだけどさぁ…殆ど無いようなもんじゃん…。

期間は短い、寒さは突然来る、長袖一枚でも寒い、ふとしたら太陽が出て少し熱くなる…よく考えれば、かなり面倒な季節に思えてくる…。

それでも、昔っからずっと秋が好きなんだよねぇ~…。

まぁ、虫が出なくなるのは一番好都合に思えるけどな…。


〈トントン〉


「ん?だれd…ふぎゅ」


「にしし…やっぱり引っかかってくれた~」


「あ~またやったなぁ~!」


肩トントンからの、相手が後ろを向いた方のほっぺに向かって指を付く遊びだ…。

まったやられたよ…も~…こういうイタズラに絶対引っかかるんだよなぁ…僕って。


「おはよ♪彼方くん」


でもまぁ…朝から、彼女の笑顔が見れるなら…別に引っかかっても良いかなって思えるんだよな。


「おはよ、野田ちゃん」


「あ~!また名字で呼んでる~…名前呼びで良いよって、いつも言ってるのに~…」


「勘弁してよ…今まで【さん】呼びだったんだから、、【ちゃん】呼びになっただけ進歩だよ、進歩」


「むぅ…まぁ良いけど!今年中には、名前呼びが聞けると嬉しいな♪」


「そう…だね。前向きに検討するよ…」


「できれば早めに善処して欲しいんだけどな~?」


僕と野田さんは、簡潔に言うなれば恋人関係ってやつだ。

でも…こういう関係になったのは、ごく最近の話で…経緯も、根拠も、決して甘いものじゃない…。



‥‥ある日の下校時間を告げるチャイムが鳴る頃

クラスで育てている花壇に向かう為、学校の裏庭に向かっていた。

その花壇に向かう為には、学校の裏道を通る必要があって…薄暗くて人気のない場所を通っている最中に…


彼女は一人、座って泣いていた。


水で濡れた制服から露わになる下着の色、形。

ちらっと見える太ももには、、最近できたであろう傷や、張り巡らされた…絆創膏の数々。

紫色の頬や…目のクマが酷い状況だった。


「ひっ…来ないで…」


僕の事を見るなり…震えて、身を守るかのように怯えていた。

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