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幻影道 第六巻   作者: Saki
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「戦争前の日常」その5

 そして起きた、私は徐ろに起き上がると外が暗い、私はついに仕事を放棄して眠ってしまったのか。私は皆に謝ろうとして休憩室を後にすると私の姿に飛び付いてくる可愛いお嫁さんの姿があった。


 きっと怒られると思い諦めると彼女は怒ることもせず抱き着いた。


「ゆいゆい大丈夫?」


 なんと彼女は私のことを心配してくれた。どうやら今回の事をユカリちゃんに伝達され学校を終えると物凄い勢いで帰っ来たが私が泥のように眠っていた為起こすに起こせなかったらしく、その不安が爆発してしまい今に至る。


「もう平気ですか?」


 ユカリちゃんがしがみつくようにスリスリしていると横からアスカちゃんが申し訳無さそうな表情で私を見つめている。


「うん、でも……皆ごめんね、仕事サボっちゃった」


 これは店長として減給せざるを得ないと頷くとアヤちゃんは何故か首を横に振った。


「今日はユイちゃんはお休みにしといたわ」


 アヤちゃんはにこりと笑って仕事の件を軽く説明すると私は素直にありがとうと頭を下げた。


「うふふ、その代わり罰として今週は全部お休みよ〜♪」


 それは最悪の罰だ、この一週間暇を持て余すではないか。


「ゆいゆい、私も罰として今週ずっと私の家から出ないでね?」


 それは最悪の罰だ、この一週間何をすれば良いのかな消えたじゃな――――――― えっ?


「あ、あの〜ユカリちゃん?」


「ん?」


「流石に監禁はキツイんだけど………」


「は?」

 

 あれ?ユカリちゃんからいつものお怒りオーラが出てるような・・・


「ゆいゆい、私を心配させたよね?」


「うん?」


「私ねずっと心配したんだよ?メールの返信ないし授業終わるごとに十回メールしたのに・・・」


 私はすかさずデバイスを確認するとユカリちゃんから通知が目も当てられない程送られていた。


「うわぁ…………」

 

 流石に送り過ぎじゃない・・・最近流行りのメンヘラ女みたい。


「ゆいゆい、素で気持ち悪がるの止めてよ・・・」


 はっ!つい本音が出てしまった!?ユカリちゃんが完全に傷ついちゃってる!!


「ご、ごめんね!つい通知の多さに気味悪くなっただけで返信してない私が悪いね!!」


 すぐに誤っても後の祭りでしゅんとしてしまった!


「わ、分かった!ユカリちゃんの言うとおりにするから落ち込まないで」


 ユカリちゃんは少し落ち込んだまま頷くと私は腕を組み一緒に帰ろうと微笑みかける。


「うん」


 完全にやらかしてしまった………凹んだユカリちゃんを戻すのは私でさえ難しいのに機嫌を取るにはどうすればいいのか分からない。


「それじゃあお姉さんは帰るから今日は本当にありがとうね♪」

 

 帰り際に私は二人に挨拶するとそのまま帰宅することになった、落ち込んだユカリちゃんに声を掛けようにもなんて声を掛ければいいのか・・・私は大人なのに子どもの笑顔が見たいのに・・・私は・・・


 初めて二人きりで気まずい雰囲気になり何度謝ってもユカリちゃんは苦しい笑顔で大丈夫と言うだけで気持ちが伝わることは無かった。

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