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幻影道 第六巻   作者: Saki
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「戦争前の日常」その4

「ふぁ〜〜」


 目が覚めると身体の違和感が少し減っていた、まだ少しふらつくけど何だか久々に気持ちの良い眠りだった気がする。だが私は瞬時に時計に目が行くと既に四時回っていた。


 私は起き上がると目の前にはアスカちゃんと目が合う、そして何だか開放感があるような・・・


「「っ〜〜〜〜〜!?」」


 毛布を取るとそこには肌が丸見えでそれは私の服が机に置いてあり裸にされていた。アスカちゃんはそれに赤面して可愛らしく顔を手で覆った。


「ご、ごめんなさいごめんなさい!!ユイお姉様の肌をまじまじと見てしまい申し上げありません!!」


 私も恥ずかしくて毛布に身を包み大丈夫と言ったが口籠ってしまった。


「ええっと………アスカちゃん、服持ってきて」


 新鮮なアスカちゃんの赤面姿に私の胸の鼓動が高鳴り羞恥心が噴き出る。


「は、はい!!あわわわ!?」


 すってんころりと慌てて駆け出したせいで変な所で転んでしまった、我が家は立ち上がろうにも羞恥心で頭がフリーズしてしまっている。おかしい、裸なんて見られてもこんなことなかったのに、最近は色々と敏感になってしまっているのだろうか?


「ユイお姉様、今持ってき――― ひゃあ!?」


 服を持ってこようとしたら今度は躓いて私にダイブしてしまった、私は怪我しないようにと抱き締める。


 不意に何かに手を伸ばしたアスカちゃんは私の胸を鷲掴みしてしまい更に頭の中がショートする。


「ひゃあぁぁぁぁ!!!!?ユイお姉様すみません!?」


 すぐに話したが義手の方はそういかず胸を鷲掴みにしたまま引っ張られ痛みを感じた私はアスカちゃんを押し倒す形に倒れてしまった。


「あわわわわわわわわわ!!!」


「お、落ち着い―――― 」


 私はその後何度も落ち着かせようとしたが完全にパニック状態になったアスカちゃんは暴走し最悪の絵面になってしまい――― 後は察してください。


☆★☆★ 数十分後


 子どもを落ち着かせるのは大変、大人みたいに殴って気絶させることも殴ることも許されないんだから。漸く落ち着いたと思ったが部屋はまるで暴れたような感じ――― この状態だと更に良く無い事を連想されそう。兎に角アスカちゃんから離れ服を着ると散乱した物を片付け、元の状態に戻しておく。


「ユイお姉様………」


 私は仕事を終えるとアスカちゃんが涙目になって謝っている、可愛い子どもを泣かせるのはお姉さん失格だと宥めるとすぐに泣き止んでくれた、やっぱり子どもは笑顔が一番ね。


「あう」


 すると一安心すると同時に一気に疲れが押し寄せ膝から崩れ落ちてしまった。


「ユイお姉様!?しっかりしてください!!」


 折角良くなった身体に鞭を打った代償なのか身体に力が入らない、こんなに弱っていたなんて・・・“この身体”に限界がきていると言うの?


「畜生……」


 まだ少し眠らないといけない……アスカちゃんに息絶え絶えで横にさせてくれと言うと私は重く伸し掛かる疲労に瞼が閉じて暗黒の世界に堕ちていった。


 私はきっとロクな死に方をしない、この世で作られて私は殺し以外を学ばなかった。


 生きる術は殺すしかない、一心不乱に地獄の仕事に向き合い、老若男女大人子ども共々殺してきた。


 そんな私に送られる夢は私が殺される夢、腹を裂かれ、脳を抉られ、拷問、奴隷、実験、淫行と私は人権剥奪され滅多刺しにされ肉を引き千切られ燃やされるそんな夢ばかり見ている。


 私に生きる資格なんていらない、子ども守れるなら私は死を選ぶ。もう誰も死なせない、家族は私が守る。その言葉だけで生きていた筈なのに、いつの間にか私は安息の地で好きな人と婚約を結んでいた

私はタダでは地獄に堕ちない、最後まで楽しく生きてやる。


 その為には先ずは復讐を終わらさねば、ハルカの為にも必ず討ちたってみせる。


 何故だがこの時間だけ悪夢を見ることは無かった、不思議な夢だったな。

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