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幻影道 第六巻   作者: Saki
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「炎星研究所殲滅作戦・Bパート」 その1

☆★☆★ ユカリ


「燃えて消え去れ!!」


 交戦開始の合図は敵の先制攻撃だった、私とノアちゃんは分断されるように炎から避けるとリフェンリルは次の攻撃を構えていた。


「ブレイズ・キャノンアクセラレート!!」


 肩部から突き出た砲門から剛速球の火炎弾が放たれ私は皮一枚で避けることに成功した。


「隙です」


 私達は二対一、隙を見せれば背後からの強襲は躱すのは難しい。ノアちゃんが持つ連射出来る銃から放たれる弾丸は機械に命中する。


「アサルトライフルか?俺には効かねぇな!!」


 だが奴の装甲は並大抵では通らない、今度はノアちゃんに肘に付いているブレード状の剣を構えて斬撃を放つ。


「ふわ」


 横一文字に飛ばすとノアちゃんは冷静に風で避けれるぐらいにまで浮かせて回避し銃を連射する。


「効かねぇ効かねぇ!!」


 だが二度同じ手は通じない、リフェンリルは四足歩行で壁を歩き回避する。だがそこでノアちゃんは懐から瓶を空中に投げつけた。


「ユカリさん目を隠してください!」


 ノアちゃんの大声に私は咄嗟に目を覆った。

 刹那、その瓶から強烈な光が炸裂し視界を防ぐ。


「閃光弾です、これならどうですか?」


 狙いが命中し、リフェンリルは空中から地面に叩きつけられ落下する。そのチャンスを逃さないと今度は狙撃銃で腕の関節を弾丸が撃ち抜いた。


「やるじゃねぇか!!ならこれはどうだ!?」


 だが視界が戻ったリフェンリルはまだ元気だ、態勢を整えると身体から何か漏れ出てるような気がする。


「なっ!ユカリさんよ――― 」


 何をするのかと思ったらリフェンリルは雄たけびと共に身体から一気に炎を放出する。


「バーンアウト!!」


 彼が放った霧状の物は何と水素だった、そして炎が放出され私達は水蒸気爆発に巻き込まれ互いに壁に吹き飛ばされる。


「けけけ、まだ行くぜぇ!?」


 私達が態勢を整えようとするより先にリフェンリルは新たなガスを撒き散らす、それは粉みたいな物で私は理科の実験で思い出したがもう既に遅い、粉塵爆発は私達を包み天井まで吹き飛び最後に地面へ叩きつけられる。


 肋骨が折れ、内蔵がかき混ぜられるような痛みを感じ吐きそうになった。


「オラオラまだまだ死ぬのは早いんじゃねぇか!?」 


 立ち上がると私目掛けてインファイトを持ち込まれる。私葉何とか懸命に戦おうにも戦争面は脆弱な私は話にならなかった。何度も凶悪な爪を防ごうと対応するが肉が削られていくだけで一ミリも攻撃が当てられない。


「脚がガラ空きだぜ!!」


 だが攻撃に気を取られているとお留守な足元に剛刃な脚が太腿に突き刺さる。


 よろけると今度は獣のように四足歩行で私の背後を取り背中を肘にある凶刃をまともに食らってしまった。


「ぐうぅぅぅ!!」


 敵が早すぎる!敵の猛攻に耐えるのが精一杯で私は削られていくしかなかった。だがその時気を取られていたのが仇となりノアちゃんの弾丸ガ腹部に貫いた。


「くそ!!テメェから先だな!」


 だが囮を相手にしてくれるほどロボットは頭は悪くない、効率的にノアちゃんから先に殺そうとする、それを読んで私は背中目掛け火薬を投げつける。


「当たってー!!!」


 拳銃を取り出し無作為に乱射する、あの火薬にさえ当たればいい。弾丸が無くなるまで撃ち続けるとその一発が火薬袋に見事命中し、爆発する。リフェンリルはそのまま吹き飛ぶとノアちゃんは可変武器アームズウェポンである狙撃銃から双剣に切り替えて横薙ぎする。


 腹部に損傷を与えたものの未だ活発なことに戦慄する。


「テメェ等・・・・フザけた女共がよぉぉぉ!! 


 リフェンリルは激昂し雄叫びを上げるとなんと炎を自身に纏わせたのだ。全身囲う業火の炎、私達は奴の第二形態になったと悟り私達の戦争は激化することとなった。


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