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幻影道 第六巻   作者: Saki
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「不吉な戦争」その2

「後五人か・・・」


 何処から現れたのかは最早どうでも良い、それぐらい圧倒的に強さを実感する。一撃で必ず命を奪い誰にも気付かれず暗殺をするのはゆいゆいぐらいだろう。


「ゆいゆい」


 私はネックレスを渡そうと思ったが優しく断られた。


「これはユカリちゃんが持ってて、その代わり応援して欲しいな♪」


 いつものように笑顔で返してくれる、一番私の大好きな顔だ、そして私が頷くとこれまた笑顔で頭を撫でてくれる。


 私は怖い、一人での行動ばかりでいつかゆいゆいの行いが悪い兆しに向かうんじゃないかと、でも頼れる人だからと言い辛いのかもしれない。


「あ、後閃光弾あったよね、お姉さんのタイミングで投げてくれると助かるんだけど」


 確かにサイドバックに有るけどどうしてゆいゆいが知っているのかはさておき、何も出来ない私に拒否権は無い、少しでも役に立てるならと準備すると過剰なくらい褒めてくれる。


 もっと頑張りたい、ゆいゆいの為に他に出来ることは無いかと考え込んでいるといつの間にかゆいゆいは姿を消していた。


 私は息を殺して合図を待っていると戦士用スマホから着信が鳴り、直後私は閃光弾を放り込んだ。

 

 目を開けないように盾を代わりに顔を覆うと凄まじい威力の閃光が放たれ一瞬だが敵の位置を確認できた。


「はあぁぁぁ!!!!」


 敵の位置が分かったものの次々華麗に殺されていく断末魔が耳に聴こえてくる。


 ここは暗闇、人は真っ暗闇の中光を照らされると反射的に腕で防ぐか直撃して視界不良を引き起こすかに限られる、それを利用した作戦のお陰で全滅出来たと思っていた。


 だが私の背後から視線を感じて直感的に横に飛びアンカーをそちら目掛けて射出すると腕か脚を掴むとそのまま引っ張ると最後にゆいゆいが渾身の回し蹴りにより本当に気配が消えたと思う。


「よく頑張りました♪」


 ゆいゆいは私にお礼を言うと死なない程度に蹴ったのか息はあった、その人を担ぎ廃墟へ行くものだから私も置いていかれないように足元をよく見て跡を追うことにした。

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