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幻影道 第六巻   作者: Saki
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「戦争前の日常」その1

 ゆいゆい達と別れてから学校前の道のりは何だか懐かしく、たった数ヶ月経ったぐらいでも久し振りに行くだけでもだいぶ変わるもんなんだなぁ。


 私は学校へ向かう生徒達と一緒に歩き出す、喜んで和気藹々と集う人達や私のように一人で歩く生徒、たまにクラスメイトに出会うとイメチェンして綺麗になっていたりやたらテンションが高い子もいたな。


 色んな人達が出会う中私はその輪に入ろうとする気は無くさっさと教室に行こうと足を動かした。


☆★☆★ 教室


「おはようユカリちゃん」


 教室に入ると既に人が集まっていて一応挨拶ぐらいは交わすとそのままいつもの家族の元へ一直線だ。


「おはよう皆」


 少々眠たいけど私は生まれつき朝は弱い方だ、どうにも頭が回らなくてゆいゆいに愛を注がれてもたまにスルーしてしまう事もある。私の家族は皆幻影守衛騎士団ファントム・ガーディアンズの一員を指す。


 取り敢えず二人の確認をすると私はそのまま机に突っ伏してしまう、時間はまだあるから少し寝ようかと思いきや一人の家族からあるものを渡された。


「ほらよ、要望多すぎて時間が掛かっちまったがお前で最後だぜ」


 抹綺優牙君、私は愛称でユーゴ君と呼んでいる、端正な顔立ちに髪は青色とこめかみが黄色のメッシュをしたエッチな物が大好きな変態さん、中身は割と慎重派だけどゆいゆいとの交渉により契約を結んだ人だ、ユーゴ君はそう言って渡された物に目を通すと眠気が一気に吹き飛んだ。


 可愛い皆の水着姿と浴衣姿だ、ゆいゆいの浴衣は一枚しかないけどそれでも素敵なゆいゆいの笑顔に胸が打たれる。いつの間にかゆいゆい中毒になってるような……いつからだろう?


「なんか、最近ユイ姉に似てきたよな?」


 ユーゴ君はぼそりと呟くと私は素っ頓狂のような顔をしてしまう。


「に、似てる?」


「おう、なんかオーバーというか、好きな奴のことに対して滅茶苦茶オーバーリアクションする所とかな」


 ゆいゆいってそんな所あったんだ!?今の今まで気付かなかったよ。


「えへへ、取り敢えずありがとうね♪やっぱり持つべきものは友だね!」


 興奮を抑えてお礼を言うと抑えきれずについ蛇足を言ってしまった。


「私、やっぱりユーゴ君の事好きだよ♪」


 正真正銘の純粋無垢の言葉なんだけどそれが他人からはこう言われてるみたい。


「こ、告白!?」


 クラスの人に聴こえたのかいきなりの告白に皆渡されたに集中する、深い意味は無いのに何故皆は私を見るの?


「たはは、サンキューな」


 私の気持ちを汲み取ってくれたユーゴ君は赤裸々に目を背けながらも笑ってくれた、好きな人を好きと言ってはいけなったんだろうか?私の言動に暫く気不味い空気にならないといいけど。



☆★☆★ 昼休み


 いつもとは少し違った雰囲気、夏を満喫したという顔の子や夏休み宿題を終わらせて机に突っ伏している人もチラホラ、そんな中私は席を立ち家族がいる場所へ歩き出す。


 三年生の教室に行くとバッタリ出会った。


「ユカリちゃん、今日は早いわね?」


 この人は蛇奈緑ちゃん、異世界から追放されて本名はサナエ・アポカリプス。ナルシストで高飛車な元お嬢様らしい、その割にはお金にがめつく、家族で一番人間味のある気性難な女の子。普段はツンデレだけど家族と触れ合いいつの間にか皆のお姉さんをしてることが多い。スタイル抜群で太ってると言ったら酷い虐めに遭うことが無ければ美人。


 髪はワインレッドでエメラルドグリーン色の瞳が印象深いな。


「うん、早くサナエちゃんに会いたくてね!」


 私は家族に会えて嬉しくて笑顔を見せるとサナエちゃんはちょっとだけ頬を赤くし咳払いをする。


「ごほん、ほぼ会ってるからそんな顔しないで頂戴、目をキラキラさせる程じゃないでしょ?」


「そうかな?私サナエちゃん“好き”だからいつでも嬉しいよ?」


 そしてまた赤面する、皆多感の時期なのかな?


「アンタね・・・・仕方ないわね………行くわよ」


 少し間が空いたけどサナエちゃんはいつもの屋上に行こうと私を通り過ぎる、私はすぐに追いつき手を繋ぐと何故か強く引っ張られ足早に屋上に行く羽目になってしまった。

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