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幻影道 第六巻   作者: Saki
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エクストラ「ナンテコトナイニチジョウ」 

「はっ!はっ!はっ!!」


 実験施設内に飛び交う無数の弾丸、研究員の命令は【敵は千人、隠れる遮蔽物一つも無い空間で全員殺せ、殺し方は自由だが武器は使用不可だ】と宣言し私を放り出していきなり銃弾の雨に晒される。気付くのが一秒遅くて左腕を撃たれてしまった。幸先悪くも始まった訓練、相手は拳銃、散弾、マシンガン、投擲物と選り取り見取り。


 私は敵に近付こうとするも相手は全員殺しのプロ、生半可の力ではこちらが投げ飛ばされてしまう。しかも相手は研究員達から私を殺せば全員莫大な報酬を貰えると言われて一致団結して殺しに来る。


「くそっ!!」


 逃げても逃げ場なんかない!でも力で勝てない、技術力なんかあっても多勢に無勢で無意味だ、結局その日は完膚なきまでにボコられ食事は無かった、いつの間にか病気の治療から戦闘員としてすり替わり私は生きる為に生き抜いてきたが全身に撃ち込まれた弾丸が痛み、涙を堪えた。


 明日もやると言われ私は生きるためには命の有無なんか気にしてはいけなかった、生きる為には何が何でも殺さないと、私の命は消耗品だ。


 私は死んでも怖くないと恐れぬ魂を胸に秘め弾丸が肉に残った物を抉り出して少しだけ休むことにした。


 私は何回も何回も戦った、何千、何万通りの策を企て失敗し一週間食事も水分も取らず殺し合いを命じられた。


 その頃には私の心は何も無くなり、飢餓と脱水により頭の中は()()ことだけしか考えられなかった。


「っ」


「なっ、こいつ!?ぐわあぁぁ!?」


 そしていつしか私は死を恐れなくなった、弾丸を撃たれても怯まず生きている限り破壊を尽くした、そして見事勝利しても何故か食事を貰えるだけで研究員の奴等は私をただの人形としか見ていなかった。


「あと十セットだ」


 その言葉を聞いて私は絶句した、いつ死んでもおかしくないのに無情にも同じ事を十回もやるなんて………私は心を無にして殺すことだけ夢中に追いかけた、生きる為にも


「ふん、こんなもんか?」


「完全体じゃなかったの?」


「オリジナルなんて所詮はこんなもんだ」


「んじゃあ次は“例の作戦”に移すか?」


「あぁ、きっとユイは我々の予想通りの動きをしてくれるはずだ」


「ふふ、楽しみ、そして捉えたら・・・」


「成長したユイの内容物を取り除き、大脳と脊髄を更に移植させる」


「ユイ、精々私達の夢の為に大事な人を作ってくれよ?」 

 

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