魔女ポルカーン
この6日間で、ストーリーを仕上げました。毎日投稿頑張ります!
目を覚ますと、両腕を後ろで縛られていた。捕まった。俺、そこまで悪いことしてないし、何らかの手下とかでも無いんだけどなぁ。暗い監獄内で、俺は拘束されていた。
女 「おはよう、少年」
前に、少女が現れた。声も、今聞くと幼げだ。
ミズモ 「くッ!俺は、何も知らない!」
女 「あたりまえじゃろう。お主はもう存在していない事になっとるから、誰とも協力しとらん、そうじゃろ?」
ミズモ 「…なんで知ってるんだ?」
ポルカーン 「自己紹介がまだじゃったな。私はポルカーン。この監獄に封印された魔女じゃ」
暗くてよくわからなかったけど、近づいてきた彼女は、金髪の美少女だった。魔女らしいとんがり帽子は被ってないけど、膝まである黒いスカートはそれっぽい。
なぜ俺を捕まえたんだ?魔女の怪しい実験の実験台にされるのか!?
ポルカーン 「お主は捕まっておる。よって、お主の人権は私が持っているという事。これからは、私の忠実な手下となるのじゃ」
くッ。ここは、勝負を仕掛けるしかない!ドッペルゲンガーを発動するんだ。
パッ!
コロコロー。俺は肉の塊みたいな物に変わって、転がり落ちた。え?失敗ってこと?そして、ポルカーンに俺は拾い上げられる。
ポルカーン 「ほんとーに面白いスキルじゃなぁ。対象に完全に変身できるとは…」
ミズモ 「ど、どういうことなんだ!?」
ポルカーン 「教えてやろう。私の本体は、心臓のみなのじゃ。肉体はとうの昔に無くなっておる。今のこれは、幻覚魔法じゃよ」
ミズモ 「……」
まずいぃ!これでは勝ち目が無いじゃあないか!分かった。このポルカーンという魔法少女は、大昔にこの監獄に封印された魔女だ。こんなにもしぶとく生き残っていたとは…。考えろ、考えるんだ。何か、一発逆転の方法があるはず…。
ポルカーン 「そう震えるな。私はお主を殺したり、過酷な労働をさせる訳でもない。お主は、私の心臓を、この監獄から持ち出すだけでいいのじゃ。簡単じゃろう?」
今は従うしかない。俺はポルカーンの霊体と一緒にこの暗い監獄の奥へと進んでいく…。彼女曰く、霊体では取り外す事ができない封印があるらしい。それだけが、どうしても解除できないようで、肉体を持つ者なら、簡単に外せるという。だから、この数十年間、現れる者を待っていたそうな。
例の空間に着いた。薄暗い部屋だ。そこには、一枚の古びた札が貼り付けてある棺桶がある。なるほど、これが本体か。
ポルカーン 「おぉッ!待ちわびたぞよ!ついにやっとこの時が来たのじゃなぁ…。長い闘いだったよう…」
彼女はぴょんぴょん跳ね回っている。よほど嬉しいのだな。でも…
ミズモ 「……」
ポルカーン 「ん?どうしたのじゃ?はよせんか」
ミズモ 「………」
ポルカーン 「おーーい。聞いておるのかー?」
ミズモ 「あのさ…」
ポルカーン 「うん」
ミズモ 「今ここで封印を解いてもさぁ、俺にはなんの利益も無いわけじゃん?」
ポルカーン 「えッ?」
彼女は俺を色々な感情のこもった眼で見つめた。
ミズモ 「いや、その…。なんというか、何か得られる物があるのなら、やるけど、タダ働きはちょっとね…」
ポルカーン 「お主、相当ひねくれているのぅ…。はぁぁ」
彼女は大きなため息を漏らした。