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仮想通貨(暗号資産) 6/8

 心の平穏(へいおん)が欲しけりゃ、手放せばいいかとなりますけど、それじゃつまんない。大きな喜びを得たけりゃ、リスクは冒さないといけない。そして、カモとなって資産を減らす。アホですね。全てが自業自得ですが、家族のお金を使っている分、プレッシャーはでかい。うちは妻がお金の管理がとても苦手なので、お金の管理は僕が担当しています。

 でも、自分がマイナス250万円を出しているなんて言えない。絶対言いたくない。だから、ずっとそのことを表に出さないように、家族と過ごさないといけない。マイナスを取り返したくて焦り、とんでもなくボランティティの高いコイン(ジェットコースターを超えるようなもうスピードで価格が上下するコイン)に手を出しているときなんて、チャートに張り付いていたい、ずっとスマホを握りしめていたいのに、それはできない。家でも会社でも、心が尋常じゃなく動いて、プルプル意味もなく震えそうな、胸が握りつぶされそうな、そんな意味不明な精神状態でも顔にほとんど出さないようにして、日常を過ごさないといけないのが相当疲れました。しかし、そうやって現実で意味不明な頑張りをしても、ボランティティの高いコインを買った結果は、一時的には上がりましたがすぐに急降下して、また大きくマイナスを出してしまい、地獄の炎に焼かれているような感覚に(おちい)るというものでした。なんでこんなアホなコイン(別にコインに罪はなく、ただ私の取引が下手なだけなんですが・・・)を買ったのかと自責の念にかられて、そんなとき外が工事中でうるさいとか、上司からつくった資料をねちねちと批判されて修正を指示されるとか、ツラいことがさらに重なる。でも、そこまでしてツラいことがあっても重なっても、結果が出ないのが投資の世界。無慈悲に数字の上下だけが繰り返される世界で、急降下からある程度は戻ってきてくれたけど、結局ある程度のマイナスが出て、価格がある程度戻ってきて安堵(あんど)する自分とこんなに頑張ったのにマイナスで終わってしまったと異常な悔しさを同時に味わったりもしました。

 あと一番たぶんヤバかったのは、大きな喪失感だったかもしれません。ジェットコースターのようなコインに高額を入れたままにしていると、さきほどもお伝えした通り、相当精神がすり減ります。刺激が強すぎて、他のことに手がつかなくなるというか、やる気が無くなるというか、情緒(じょうちょ)がマヒしてくるというか。もう、こんな思いするなら死んだほうが良くね? とか少し考え始める。短絡的(たんらくてき)過ぎる。たった250万円と命の重さを比べることもできなくなってくる。たった一日そこらでそんな感じになるから、これが続いたら、さらにひどくなる気がしました。それでも、プラスが出るまではと力んで力んで力み続けていました。

 本当に自分の投資の才能のなさが嫌になりました。さすが、そのへんにいるサラリーマンですね。ちょっと楽しそうに書いているように思う方もいらっしゃるかもいらっしゃるかもしれませんが、その当時はほんまに頭のてっぺんまで絶望風呂にどっぷりでした。顔を真っ赤にして血がにじんでくるぐらい、何度も頭を()きむしっていました。だって、売れば価格が上がり、買えば価格が下がるが9割の確率で起こるんですもん(これ、マジ)。やってられません。

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