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六十にして六十と化す 2/3

 長年正しいと思ってやってきたことが、他者によって否定されてしまうような出来事に会うことはよくあることです。長年連れ添っていた奥さんに逃げられるとかも同じような出来事です。子どもが家を出ていったきり里帰りもしてくれないこともあると思います。「いったい誰が作ったご飯で大きくなれたのか分かってんのか!」とか、「誰が稼いできたお金で生きてこれたと思ってんだ!」とか大声で叫びたくなるかと思います。リストラだってそうです。長年一生懸命働いてきたはずなのに、会社からいらないと言われる。世の中ではそういうことがよく起きます。そういうニュースは毎年毎年いっぱい流れます。

 では、そういった自分を否定してくるような出来事に会ったときに、今までの自分は間違っていたと思って、心を入れ替えて、また1から家庭で、あるいは社会で基盤を築いていけるでしょうか。基盤を1からつくりあげていくことの大変さを長年の経験からあなたは知っている状態ですが、それをまた1からやり直そうとか考えられるでしょうか。いままで生きてきた49年間を否定し、50歳から新たな自分を創っていくことができるでしょうか。六十にして六十と化すというのは、それができるかどうかということが書いてあります。なぜなら、できない人間がほとんどだからです。いまから大昔の紀元前に見つけられた人間の絶対的ルールとも言うべきもので、いままで多くの人に読まれてきたはずの話ですが、現代になっても多くの人がまだ同じ沼にハマったままです。いままで自分が歩んできた道が否定されてたまるかという気持ちで、そのまま文句を言いながら死んでいく人が大勢いらっしゃいます。

 さっきまでは強烈な自分否定の出来事ばかりを並べてみましたが、自分が否定される出来事なんて、毎日と言っていいほどよく起きます。

誕生日会に呼んでもらえなかった。

グループに入れてもらえなかった。

飲み会に誘ってもらえなかった。

プロジェクトに入れてもらえなかった。

会話に入れてもらえなかった。

 そんなことは日常茶飯事(にちじょうさはんじ)です。誰にでも起きます。その都度、自分のやり方を信じて突き進むところか、あるいはこちらを曲げて仲間に入れてもらうことを実行に移すべきか、みなさんそういう小さな決断をよく迫られているんじゃないでしょうか。

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