三方よしはWin-Winを超える考え方? 1/4
父親は飲食業界におりましたので、栄枯盛衰を嫌と言うほど見てきたようでした。父親は悟りを1ミリも開いていませんし、自分より弱い立場のひとをすぐにバカにするような心のせませまなやつです。あと、神様とかそういうのも全然信じちゃいませんし、分かってもいない。私に視えるひとを紹介しておきながら、本人は視えることに対しての理解がめちゃ浅い。漢字で書くと滅茶苦茶浅薄。視えるとかそういう類のものはこの世の一現象のひとつぐらいにしか考えていない。この世をうまく生きていくための処世術を教えてもらえるぐらいにしか思っていない。私の父は小さい、狭い、浅いの三拍子が揃ったモノホンの現実主義者です。私が「この世は仮想世界なんやで」なんて言おうもんなら、「訳わからんこと言うてんと、もっとしっかり現実見んかい」と切り捨ててくる。こちらからしたら盲目はそっちなんやけど。
そんな現実主義者が40年以上飲食業界にいて出した結論が“長く持つかどうかは結局人間が良いかどうか”ということでした。この話を聞いたとき、私はとても驚きました。超現実主義者のこの人間でもその結論に至るんだと。
飲食業界は100人に1人しかお店を出せなくて、しかもやっと建てた城(自分のお店)でも10年以上営業を続けるお店は100軒中1軒と言われている世界です。飲食業界にいないみなさんだって、記憶を辿って頂ければ長く続いているお店よりも潰れたお店のほうが遥かに多いことを感覚的に分かると思います。そんな業界を見てきた父親が「最後は人」と言い切った。40年以上その業界に携わってきた人の意見ですから、簡単に無視はできません。
父親は私に良く三方よしの話をしてくれました。三方よしは江戸から明治にかけて活躍した近江商人たちの商売哲学です。この考え方はいまでも、ある大企業で受け継がれています。先日、仕事でそのグループ会社の方にお会いする機会があって三方よしの話を雑談がてらしてみましたが、深くは理解していなさそうでしたけど、やっぱり知ってはおられましたね。ゼロではありませんでした。




