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ダイバーシティ&インクルージョンの可能性と日本の未来について 4/6

 ちょっと話がそれますが、世界でもっとも男女平等な国と言われているアイスランドでは一時的にあえて男と女を分けて教育を行う有名な幼稚園があります。そこの創業者のマルグレさんはその道30年の超ベテランですが、そのマルグレさんが“男の子には自立性、女の子には社会性が比較的高いと感じられることが多い”と言い切っておられます。これもずっと話をしている子どもは母親と父親に求めるものが違う話や三隅教授のPM理論に通じるものがあります。結局、男は進歩が得意で女性は調和が得意ということです。人間はどちらが欠けてもいけない。どちらに偏ってもいけない。両方とも大切、それなのに日本は男社会をまだ続けている状態です。

 では、日本もクォータ制法案を無理矢理導入したらと思う人いらっしゃると思いますが、これがまたそう簡単な話ではありません。ノルウェーでは女性たちは権利獲得のために都度声を上げて大規模な集会を行ってこられましたが、日本ではそれがあんまり盛んではありません。日本社会は確実に調和の力(女性の力)が足りていないんですけど、実は日本の女性は社会の中に入っていくことに消極的な人が多いのが現実です。日本政府自体は企業の中に女性の役職者、経営者を増やしたいと考えていますが、日本の大半の女性は役職者になることを嫌がる傾向にあります。

 女性は社会性を大切にする人が多いので、社会の中のボリュームゾーンに身をおいて置きたいと望む人が多いのではないかと私は考えています。男性は多少そのボリュームゾーンから外れることがカッコいいと思ったりするのですが、日本の女性の方は特にボリュームゾーンに身を置きたいと気持ちが強い傾向があるのではないかと思っています。ママ友を作ったり、会社ですぐ女子会を作りたがったりするのはその傾向のひとつだと思います。そして、女性は所属しているグループからあなたは私たちは違うと思われたくない気持ちが強いように思います。役職者になるのはボリュームゾーンから出るので、日本の女性は嫌がっているのではないかと思います。だから、女子も役職者になるのが当たり前の世の中にしてしまえば、日本に女性の役職者が爆発的に増えると思います。だから、チームのメンテナンスを担う役職者を女性から多く採用するのはどうかなど考えていますが、このあたりがなかなか経営層の心に届くような秀逸なアイデアが浮かんでいないというところで、足踏みしているのが、私の現状です。私じゃなくていいので、誰かスーパーアイデアを考えて実行してくれないかと考えています。

 例えばですが、部活でいうマネージャーみたいな存在を会社の各課に配置できないかと考えたことがあります。このマネージャーは課長と同レベルの権限、同レベルの報酬をもらう存在です。メンテナンスの大切さを社会に知らしめるため、報酬は必ず高くする必要があります。この存在のことをメンテナンスマネージャーと仮に名付けるとして、メンテナンスマネージャーには庶務的なお仕事をこなして頂くのと、課のメンバーの精神衛生を管理する役割を持たせます。いまは企業に産業医がポツっといるだけです。この存在だけに企業全体の精神衛生管理をさせているとか、手が足りていないに決まっています。だから、産業医を頂点として各課のメンテナンスマネージャーは連携して、社員たちをケアできないかと考えました。また、メンテナンスマネージャーたちと人事を連携させることで、嫌いな者同士をくっつけないようにしたり、相性がいい者同士をくっつけるようにして、人間関係の摩擦を減らしたり、逆に人間関係の相乗効果を生ませて生産性をあげられないかと考えました。人の世話が好きな女性は多いです。看護師さんに女性が多いのは自然の流れです。また、女性は人の成長していく姿を見るのが好きだったりします。カラテカの矢部さんと大家さんの関係がまさにそれの気がします。弱いから助ける精神では一向に成長がありません。必要だから取り入れるという精神こそ尊重すべきです。

 なかなか良いとアイデアだと思って頂いた方もいらっしゃるかもしれませんが、このアイデアが採用されるのは限りなくゼロに近いと思います。そもそも、メンテナンスマネージャーたちの給料はどっから捻出するのかという点で受け入れてもらえません。

 いまの世の中はまだまだ進歩(男性)重視です。疲弊した男たちはどんどん曲がった形の癒やしを求め、女性たちもそれに応じています。進歩はとても魅力的です。分かりやすいです。目に見えるものばかりです。スピード、力強さ、正確性。それを突き詰めて突き詰めて、日本人は殺人的納期を生み出し、必要以上に性産業を広げ、進歩についていけない者たちを排除してきました。進歩は人間にとって大切な要素のひとつです。でも偏らせてはいけない。偏っているから日本は間違った方向にどんどん進んでいきます。若くして死ぬ人が増え、子どもも減る一方です。国は未来への投資を怠り、赤字を増やしていく一方です。広がる貧困層、世界での発言権も下がる一方です。いつか明るい未来が来ると祈っていれば、やってくると思っていても、そんな未来はやって来ません。神風は吹きません。都合の良いことは起きません。鬼殺隊が現れて鬼を(たお)してくれないと鬼はいなくなりません。

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