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宗教の必要性について 2/2

 宗教家にとって一番重要な仕事は、相手にバックボーンを持たせることだと私は考えています。バックボーンとは精神上の筋金です。これがあるかないかで、生き方がぜんぜん変わってくるように思います。例えば、子どもたちのために精一杯やるという思いもひとつのバックボーンだと思います。あるいはある神様のことを信じることで色々な苦境を乗り越えられるなら、それも良いと思います。ただし子どもや神様を信じるだけではバックボーンとしては弱いと思います。あまりこういうことは書きたくもないですけど、子どもを亡くしてしまったときにそのバックボーンを失うどころか死を選んでしまうことも考えられます。神様を闇雲に信じても、例えばその宗教がウソしか教えていなかったことが明るみに出れば、途端に自分の信じていたものを失って弱くなってしまうと思います。だから、できればバックボーンは折れにくい頑丈なものを用意したほうが良いと思います。昭和初期に成功された実業家の中に中国の古典である四書五経をバックボーンにされていた方たちも結構いらっしゃいます。今でも誰もが知る有名な会社の創始者の方々もおられます。

 ブッダが起こしたとされる仏教。その中に般若心経(はんにゃしんきょう)があります。次回以降で詳しく解説しますが、般若心経はお金を稼いで組織を維持、繁栄させるために生まれた教えではありません。間違いなく世界の真実が書かれた文章であり、教えです。悟りを開き、その開き度をどんどん上げていけば、般若心経に書いてあることはすぐに分かります。他にもお金を稼ぐための教えか世界の真実が書かれている教えかの見分けもつくようになってきます。

 実は、宗教家は科学者と似たようなことをされています。私はアインシュタインの遺した“宗教なき科学は不完全であり、科学なき宗教にも欠陥がある”という言葉が好きです。真摯しんしな宗教家と真摯しんしな科学者はよく似たようなことをされていると私は認識しています。科学者は物理世界の絶対的なルールを見つけていくこと、あるいは見つけた絶対的なルールで物理生活を豊かにすることをしています。例えば、人間は酸素を適量常時取り込んでいかないと生きていけないとかそういうことは科学者が見つけました。では宗教家は何をしてきたかというと、精神世界の絶対的なルールを見つけることをしてきました。そしてその見つけた絶対的ルールを一般の方々に伝えて精神生活を豊かにしてきました。

 あらゆる宗教は世界の真実を長い時間をかけてこの世に伝えている側面もあり、この部分においては非常に重要な役割を果たしていると私は考えています。ただ、悟りを開いていない人たちによる金銭の搾取的な側面もやっぱりあります。お金を稼ぐ教えばっかりで世界の真実が書かれた教えを少しも伝えない宗教家は、もはや宗教家でもなんでもなく私と同じただの俗物だと思います。こういう方と会話を重ねてもいっこうに自分の魂レベルは上がんない気がします。せめて、そういう宗教家の方々は因果応報という世界の絶対的ルールがあることを本当の意味で理解してほしいところです。

 宗教はこの世に必要かと言われれば必要だと思います。ただし、宗教の教えの中には世界の真実を伝えているものと組織の維持と繁栄を目的とした教えが混ざっていることも知っておいて、それに振り回されないようにすることが大切だと思います。もちろん、世界の真実ばかりを求め過ぎて生活のある宗教家たちの収入を取り上げるのも良くないと思います。私の家は日蓮宗(にちれんしゅう)ですので、私は南妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)(とな)えますし、必要なお布施(ふせ)はお渡ししています。

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