〜プロローグ〜
初投稿です。
趣味と自己満足で書いていくので更新が遅かったりしますが、応援していただけると嬉しいです。
バッファーって本当にパーティに必要ですか?
それヒーラーがついでにやっちゃダメなの?って言いませんか?
そもそもバッファーって何してんの?って思っていませんか?
バッファーは直接手を下さないから楽だろうと軽視していませんか?
俺がパーティを支えてやってんだという優越感に浸りたいだけだろとか考えていませんか?
直接的な戦犯にはなりづらいことから叩かれることを避けたい臆病者だとか蔑んでいませんか?
俺の名前は七海優。異世界でバッファーやってます。
幼馴染で同級生の八神快斗と一緒に異世界へ来たけれど片や数多のチートスキルと聖剣を渡されたあいつ、片や自分を強化できない欠陥強化魔法を渡された俺。
そう、そもそも最初からおかしかった。天は二物を与えずなんて言葉は幻想だ。カイトには二物も三物も与えておいて俺には辛うじて一物あるかどうか。
俺も一応無尽蔵の魔力という副産物を貰っているけれど、容量の上限だか何だかで普通の魔法が全く使えないことを知った時には泣いた。
そして最初の街のスライムにすら手こずっていた俺を尻目にカイトがたまたま空を飛んでいたワイバーンを聖剣から放たれた謎のビームで撃ち落とした様を見た時は全てを呪った。
俺だって異世界でくらい絵に描いたような無双がしたかった。
チート魔法で誰も歯が立たない魔王を倒して勇者になってみたかった。
でも俺は現実と同じようにカイトの影になることしかできなかった。
それでも俺を仲間に入れてくれたカイトには感謝していた。自分にバフがかけられない以上、ソロでの冒険はまず無理。けれど何の実績もない俺を仲間に入れてくれる冒険者なんてまずいないと思う。
みんなが欲しがる筆頭は剣士やウィザード、プリーストなわけだし。
冒険の方も何だかんだ上手くやっていたはずだった。俺がバフをかけて、強化されたカイトが聖剣やチート魔法で薙ぎ払えば俺達に倒せない敵はいなかった。
正直言えばカイトとの冒険は楽ではあった。カイトの下につけば飯や宿屋に困ることはまずないし、報酬もちゃんと公平に山分けしてくれていたから特別不満も無かった。
そこから次第に最前線で活躍していたタンクとウィザードが仲間になり、魔王討伐も時間の問題だった。
あの事件が起こるまでは…
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「何で…どうしたんだよ、カイト!何か言えよ!俺達ずっと一緒に冒険してたよな!?」
「ユウ。お前はもういらない。幼馴染だから多少は面倒を見てやったが、バッファーなんて地味なやつは俺達勇者一行には必要ねぇんだよ」
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バッファーって本当にパーティに必要ですか?