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case1ー2 私の行く宛

堂々と撮影してても許可はもらいましょう


 カシャッ


「お~我ながら可愛く撮れてる」


「えっと…これはいったい?」


「次は両手をこうしてみようか~」ブイサイン


「こうですか?」ブイサイン


「いいねぇ!可愛い可愛い」カシャッ


「そうですかー!!」ニヘラァ


「じゃあ次はこう胸を寄せて――」


「――って何やらせるんですか!!」


 バレたか、案外ノリがよかったし何とかなると思ったんだが…もしかしてアホの娘なのかもな

 ――なんてことを考えながらジト目でこっちを見る犬娘に撮影意図を伝えることにしようじゃないか


「まぁアレだ…仕事7割だな。色々コネを使って調べてみようかと…」

 無論、3割は趣味である。


「本当ですかぁ…なんか怪しいんですけど…」

 コイツ案外鋭いな…まぁいいや

「とにかく、依頼は受けますよ。早速調査を始めるからしばらくしたら結果をご報告出来ると思うんで、今日はお帰り頂いて大丈夫です。」


「あのぅ…その事なんですけど…」


 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 少し話は変わるが、なんで異世界にいる俺が写真なんか撮影出来るなって思ったヤツもいるだろ?

 このカメラ…コレこっちの世界で買ったんだよね。いわゆる元の世界で使ってたヤツ地震で落ちて壊れちゃったし…

 動力源は魔力ってエネルギーなんだとか。色々説明を聞いたがどうやらこの魔力、元の世界でいう電気みたいなもんらしい。

 発電所的な施設からの供給や、電池的なモンを使って色んな物を動かしてるらしい。知らんけど…

 まぁ機会があれば他の魔界家電もちょくちょく紹介してくつもり。高いからほとんど持ってないけど…


 そんなこんなで目的の場所に着いた。食堂である。


「あの…?ここって私が寝ていた食堂ですよね?」


 あぁそうだった。エリーさんにもついてきてもらっていたんだわ。というのも――


「私…その、帰る場所とかなくて…」


 まぁそうだよな…そらなんにも分かんなかったら身寄りも家も無いのは当然か…そっちもコネで何とかなるか…

「―分かりました。まぁ…何とかしてみますよ。とりあえずついてきて下さい」


 というわけで、やって来ました街の食堂。ちなみに俺の元バイト先である。


「おばちゃーん!!邪魔するぜー」


「なんだいハー坊、まだ開店前だよ仕込み手伝いな!!……おや?あんたは…」


 このおばちゃんはこの食堂の店主。名前は…なんだっけかな?まぁいいや。俺にティエラの事を色々教えてくれた人でもある。まぁ竜人だから人と呼べるのか怪しいが…


「今朝はお世話になりました」


「いやいやいいんだよ、困ったらお互い様さ。その様子を見るにちゃんとハー坊のとこには行けたみたいだね。」


「じゃあおばちゃんさ、お互い様ついでに1つ頼まれてくれるかい?」


 とりあえず俺はおばちゃんにエリーさんの行く宛がないこと、調査の結果が出るまで住み込みで働かせて貰えないか頼んでみた。


「何とかしたいのはやまやまなんだがねぇ…1週間が限界だね」


「いやなんでだよ?困ったらお互い様なんだろ?」


「アンタ…改装するんだよこの店、だから1週間後から休業するって昨日言ったばかりじゃないか!!忘れっぽいのも大概にしな!!」


 そういやそんなことを言ってたような…サラッと流しちまったなぁ…しばらく飯のあてが無くなっちまった。


「あのっ!1週間で大丈夫です…そこからは自分で何とかしますから…」


「ごめんねぇ…」


「まぁそっちの事は何とかしてもらうとして、俺はお仕事してきますよっと。おばちゃんしばらく頼むわ」


「あいよ。行ってきな!」


「あの…よろしくお願いします!!」


 2人の声を背に俺は街へ繰り出した。


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