「猫は知っている」
この前、ムーは、ヘアーカットに行きました。
空梅雨のまま、真夏に突入しそうな今年、
暑い夏を快適にのり切る為に
というのも、
ムーの故郷は寒い地域で、
冬の寒さには強いけれど、
夏には耐えられそうにないほど密毛が生えているから。
ムーはラグドールという品種の猫で、
大型ホームセンターのペットショップで買いました。
ペットショップのガラス窓に、こんな説明書きがありました。
『ラグドールは「ぬいぐるみのような」という名前の由来通り
まるで生きるぬいぐるみのように愛らしく
立ち振る舞いは王侯貴族の末裔のような優雅さで
穏やかなやさしい性格です。
人によく懐き猫を初めて飼う方向けの育てやすい子猫です。』
(嘘ばっかりぃいいいいいい………。)
ムーは、最初から人間の手を「オモチャ」だと思ってるふしがありまして、
素手をソファーに置いておくと獲物だと思うらしくて、
瞳がキラッキラッと輝きだして攻撃態勢に入ります。
これの原因は、多分ペットショップのガラスの向こう側で、
子猫を見に来るお客さんが指でガラスを叩いたり、
じゃらしたりした名残りだと思うんだけど
子猫の尖った歯は容赦なくグサリグサリと、誰彼かまわずの攻撃で、
私の手も、父の手もカジカジされて血ぃタラタラの絆創膏だらけで、
悪いことをしたら叱らなきゃ駄目だとHowetoo本には書いてはあるものの
か弱い子猫を叩くわけにもいかず、、、
私と父はこの言われもない迫害に耐えるしか術もなく、
我慢我慢の毎日で、、、
可愛い猫との穏やかなやさしい生活危うし!の状態で、
参った私たちは、ペットショップへ相談に行きまして
猫には害がないが、かじらなくなるという『ハーブのしつけ用塗り薬』を購入たわけではありますが、
この薬、猫に害がないなら人間にも害は無いだろうという事で、
試しに舐めてみたところ大そう苦くて、苦くて、、、
(センブリのような味で、千回振っても苦い草で、胃に効くとか言われてる植物のこと)
「これをかじる所へ塗っておけばだんだんかじらなくなると言うわけかあ(笑)」
(ヌリヌリ)
「なんか可哀想みたいだけど、」
(ヌリヌリ)
”人間の手をかじると苦い”ということを
”かじると苦い”
”かじると苦い”
”かじると苦い”と、何度も反芻することで
覚えてもらおうという薬であるわけで、
という事は、
当然………
”かじらせなければ苦くない?”わけで、
”かじらせなければ苦いことを教えられない薬、、、。”って、
(どーなのおおおおお!???)
しかし、
この”かじらせなければ苦くない薬”にも
落とし穴がありまして、
はい。
人間は、トイレに入ったら手を洗うという習慣がありまして、
(たまに習慣がない人もいるかもしれませんが、)
たいていは手を洗うわけで、
トイレから出るたびに、ちょっと手間ですが
薬を塗り直さなければいけないわけで、
そんなめんどくさいことをいつまでも律儀に出来る筈もなく、
途中で挫折すること請け合いのなまけものの親子で御座いまして、
と当然、
”かじると苦い”手のしつけは有耶無耶になり下がり
いつの間にか、
”塗らなければ苦くない薬”に成り果てたわけで御座いました。
(笑)
しかし、猫というものの学習能力も大したもので、
己の置かれた立場も次第にわかってくるもので、
この暮らしの中でどうすればより快適に暮らせるか
考えてくれたわけで、
人間が”かじらなければ苦くない薬”などに頼りまして、
わが身の かじり癖を直そうと右往左往しているあいだに
しっかり飼い主観察をしておりまして、
かじりついても良い人間と、
かじりついたら非常にマズイ人間を分けたわけでありまして、
(犬の場合も、家族に順番をつけると言いますが、)
猫にとっての快適とは、すこーしわんこほど単純ではありませんで、
1、ごはんをくれる人。
2、遊んでくれる人。
1番、2番までは、わんこも同じではありますが、
ここからがお猫さまならではの快適の定義がありまして、
3、むやみにベタベタ触るんじゃねぇぞ。
4、だけど、オレが甘えたいときはすぐ来い!待たせるな。
5、機嫌の悪いときには「ほっといてくれ。」
6、お前はオレのものだけど、
7、オレは誰のものでもないぞ。
あれれ?
猫の快適じゃなかった?
朝子さん、、、
ご自身の性格そっくりじゃないの
ムーさまは、(笑)
「もさもさで、いいなあ~」と、撫でなでしながら羨ましそうに
その長毛に羨望の眼差しを向けていた父が、
「なあ、ムー暑くて可哀想じゃないか?」
「毛、夏用に切ってやったらどうだ?」って、たまには気のきいた事を言い。
フサフサの毛を強制的に短毛にされたムーですが、
まるで、別猫に、、、、成り果てて帰ってまいりまして
(汗))))
本人も、わが身に起こった突然の出来事が理解できず
幾分、いつもより元気なく、
ただでさえのなで肩を一段と落とし気味なご様子で
(プライドを傷つけたのではあるまいか?)
と、心配をする私の後ろから聞こえてくる甲高い笑い声。
「ムー、ムー、涼しくていいなあ~(笑)」
「(笑)(笑)(笑)」
「ムー、ムー、見せてみな?」
と、無理矢理ゲージから引きずり出しまして、
「わっははは!」
「ずっとそのままにしてろなあ、」
「(笑)(笑)(笑)」と、
仲間ができた歓びが先に立ち………
「パパ(´`)ムーに嫌われるよ?」
「わかんねぇよ(笑)(笑)(笑)」
「わかるよ?」
「 だってムーって呼べば来るでしょ?」
「解ってるから来るんでしょ?」
「名前ぐらいは解るかもしんねぇけど」
「ご飯だって、分かるし、あそぼーって、来るんだから人間の気持ちだって解るよ~」
「そっかあ?(笑)(笑)(笑)」
「笑い過ぎだよ~」
案の定………。
<<ねこパーンチ!! >>
「☆⌒(>。≪)痛てぇ、イテテ、」
「(笑)(笑)(笑)ほらあ~(笑)」
この写メは ムーに「ゴメン」してるとこ。
眩しいせいか、そっぽ向いてるムー…(笑)
この写真は、仲直りしたとこ。
いつの頃からだろう、オレを呼ぶ声して
その声に振り向きたくなって、
その声が、オレを呼んでるんだって
解ったのは、
いつだったか忘れたけれど
「ムー、ごはん~」
”ムー”がオレの名前で
”ごはん”がメシのことで、
”かわいいね~”は、オレが好きだってことで、
”痛い”は、
なんだったっけ~
忘れた。